研究内容の紹介

東京発、知覚と運動のサイエンス 知覚と運動の問題に認知科学の観点からアプローチしています。反応時間、脳波、動作解析など、多様な実験を駆使しています。リハビリテーションやスポーツに関連した研究に数多く取り組んでいます。理学療法士の社会人院生を多数輩出しています。

歩行の三次元動作解析

概要

歩く・走るといった空間移動行為は、人間の基本的かつ重要な運動行為であり、世界中で様々な研究がおこなわれています。特に最近は、高齢者の転倒予防といった観点から、研究成果の社会還元に対する期待が高まっています。

私達のグループでは、実験心理学的な手法に基づき、空間移動の実現に不可欠な知覚機能の解明を目指しています。障害物を回避する際の動作をモーションキャプチャシステムにより3次元的に解析することで、空間と身体の関係を知覚するメカニズムを探っています。 また歩行中に動的に変化する空間を、可変式ドア(通称ムービングドア)により疑似的に再現し、変化に応じた歩行動作の修正を検討することで、歩行中の視覚運動制御の問題にアプローチしています。

主な実験装置

 モーションキャプチャシステム(Qualysis社製OQUS)

 ムービングドア(可変式ドア)、液晶シャッターゴーグル、加速度センサ、他

主な研究内容

  • 狭い空間通り抜ける際の知覚運動制御
  • 歩行空間の認知に関する左右差の研究
  • 歩行中の障害物回避動作
  • 視覚障害者(ロービジョン者)の歩行分析


狭い隙間を通り抜ける場面での歩行実験の様子。ムービングドアを利用することで、歩行中に隙間の大きさを動的に変更できます。


モーションキャプチャシステムとして,Qualysis社のOQUSを使っています。可搬型システムであり,病院や体育館に持ち込んで測定をしています。


液晶シャッターゴーグル。歩行中の視覚情報を一時的に遮断する際に利用します。このような実験により、歩行における視覚機能の役割にアプローチできます。


隙間の大きさを正確に知覚しているかを測定する実験