セラピストにむけた情報発信


 学会・研究会報告1−運動学習研究会


 617-18日につくば研修センターにて開催された16回運動学習研究会に参加しました.運動学習に関連した研究者のうち,特にスポーツ・体育系の方々と交流を持つ場として非常に良い機会と思いましたので,ここで紹介します.詳細は研究会のホームページをご覧ください.

研究会の発足は今から約15年前,現代表者であります麓信義先生(弘前大学)らを中心として設立されました(詳細はホームページの趣旨をご覧ください).私は2000年の大会より,継続して参加しております.最初の頃はスポーツ・体育系の先生方が殆どでありましたが,最近は私自身を含めて,それ以外の領域からの参加者が多くなってきました.大変喜ばしいことに,セラピストの会員も次第に増加し始めております.今年は島谷康司氏(県立広島大学),野々山紗矢果さん(藤田保健衛生大学),そして私の研究仲間であります門馬博氏(首都大学・杏林大学医学部付属病院)3名のセラピストが参加 されました.

 私が思う運動学習研究会の魅力は,参加者全員が1つの会場で議論する点にあると考えます.大きな学会の場合,複数のセクションで同時平行的に研究発表がおこなわれるため,興味のあるテーマにのみ集中できる半面,未知の領域に対して見識を広げる機会に乏しいともいえます.運動学習研究会では,参加者全員が1つの場に集い,個々のテーマについて議論するため,これまで興味がなかった研究テーマに対して自分の研究との関連性を見出すなど,他では得られない刺激を受けることが出来ます.また自らの発表を通して,分野の異なる方々に自己アピールが出来るということも,非常に大きな魅力です.事実,この研究会で形成された人間関係のお陰で,共同研究や論文執筆の機会が生まれるということもあり,私にとっては非常に重要な交流の場となっています.会員の先生方は一様にフレンドリーであり,どんなに発表の場で厳しい発言をなされても,夜の宴会では研究を向上させるための前向きなコメントを下さるので,研究会の参加後は,いつも参加してよかったと思いながら帰途につきます.

 ただ1つ残念なのは,現在のところセラピストの発表が少ないということです.現在は門馬博氏が孤軍奮闘で臨床現場の問題を発表されていますが,今後多くの方々が発表者として研究会に参加くださり,我々との議論を楽しんでもらえたら嬉しいなと思います.研究会では,必ずしも運動学習に限らず,運動に関わる全てのテーマを受け入れておりますので,奮ってご参加ください.なお,来年は慶応大学藤沢キャンパスで開催予定だそうです.



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