セラピストにむけた情報発信



研究会報告 臨床歩行分析研究会第31回大会



2009年12月14日

12月12日(土)に,第31回臨床歩行分析研究会のプレカンファレンスにて講演を行いました.「視覚と歩行」という講演タイトルのもと,視覚情報や視線が歩行の制御にどのように貢献しているかについて,90分間の話題提供をいたしました.以下に講演概要をご紹介いたします.

はじめに,私自身が歩行制御における視覚情報・視線の役割に注目するに至った背景として,Waterloo大学バイオメカニクス研究室における研究経験について説明をしました.その中で,Waterlooで行われた様々な研究成果をご紹介いたしました.

続きまして,歩行中にわたしたちの視線が進むべき方向の中心に向けられていること,また視線が歩行の先導役として機能していることについて,様々な場面での実証研究をご紹介し,その機能的意義について説明をいたしました.

最後に,視覚情報の処理や視線に着目した新しいリハビリテーションの試みについてご紹介しました.その中の1つの話題として,私たちの研究室で今年から始めている研究課題として,3つの研究の概要と狙いについてご説明いたしました.

研究会の参加者の多くは,歩行のバイオメカニクス的分析に対して高度に専門的な知識を持っている方ばかりです.おそらく私がご紹介した内容は,新規性が高く,場合によっては全く興味を示すことができなかった参加者の方々も多かったろうと推察いたします.ただ,このような真新しい話題を提供することが,企画運営の先生方の狙いということでしたので,こうした狙いを好意的に受け止めてくださった参加者の方がわずかでもいらっしゃれば,幸いに思います.

今回の講演にあたり,大会運営に携わった福井勉大会長,望月久先生,山崎敦先生,柿崎藤泰先生,中俣修先生,岩崎裕子先生,その他多くの皆さまにご支援・ご指導をいただきました.運営に携わっていた学生さんも,参加者への配慮に富む態度で接して下さり,大変良質な学生さんがそろっているのだなと実感いたしました.研究会における公的な活動だけでなく,懇親会における非常にフランクな雰囲気での活動を含めて,大変有意義な時間を過ごすことができました.この場を借りてお礼を申し上げます.


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