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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

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#675 第37回東海理学療法学会 教育講演「発信力を磨く:研究指導の立場から」

10月30-31日に,浜松市にて第37回東海理学療法学会が開催されました。学会そのものはオンライン開催でしたが,講演等の講師陣は浜松市アクトシティに集結して情報発信,というスタイルで行われました。

大会長は和泉謙二先生,そして副大会長は森下一幸先生と,長くエコロジカルアプローチ研究会にてお世話になっている先生達です。また運営スタッフにも研究会で交流のあった先生方が多くおり,先生方への感謝の気持ちも込めて準備に臨みました。

今回の話題提供は,「発信力を磨く:研究指導の立場から」という内容でした。拙著「研究的思考法」の内容に基づき,発信力を高めるために必要な知識について90分の話題提供をしました。とりあげたトピックは,「パラグラフ・ライティング(「大事なことから先に言う」の意味),「研究における“大事なこと”」「パラグラフの概念をプレゼンテーションに生かす」「研究法を学ぶ意義」でした。特に1番目のパラグラフ・ライティングに時間を割き,単に文書の書き方という話を超えて,思考の整理としても役に立つという考えについて説明しました。

今回の学会大会のコンセプトは,「問われる臨床技能と発信力:今,求められるProfessionalism」というものでした。臨床技能と横並びの形で発信力というキーワードがここまで前面に出されるのは,理学療法系の学会としては画期的ではないかと思います。

このコンセプトに込められた和泉先生の想いを,大会長挨拶に見ることができます。以下,その抜粋です

「理学療法士を取り巻く環境は、多職種協働が当たり前の時代となりました。多職種に向けてどう発言し理解してもらうか、対象者へのインフォームドコンセントとは異なる発信力が必要となります。相手にいかに伝えるか、いかに有用なことを胸に秘めていても、それがうまく発信できなければ意味を成しません。本大会においては、発信力という観点からも意味深い報告となるよう皆様方にも注視いただけますようお願いしたいところです。」(和泉謙二氏,大会長挨拶より抜粋,2021年10月31日)

和泉先生のこうした大事な想いの一端を,教育講演としてサポートすることができたこと,とても嬉しく思っております。

     



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