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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

セラピスト向け情報発信ページ

#671 大学院特別講義:建内宏重先生のレクチャー

私が所属する大学院である,人間健康科学研究科ヘルスプロモーションサイエンス学域では,大学院特別講義(修士科目:行動科学特別講義,博士科目:ヘルスプロモーションサイエンス特別講義Ⅱ)として,外部の優れた研究者に集中講義を依頼しています。本年度は京都大学の建内宏重先生に講義を依頼しました。

建内先生とは2015年に「姿勢と歩行:協調からひも解く」を共著で出版させていただくなど,様々な形でお世話になっています。講義では,姿勢と歩行のそれぞれに対して,協調を主たるキーワードとしてご解説いただきました。以下が講義の主なトピックです。

<主なトピック>
●姿勢
・人の姿勢の力学的平衡
・身体各部位の協調関係
・運動連鎖と姿勢制御
・関節安定化機構の協調関係
・筋間の時間的協調関係

●歩行
・下肢関節間の協調関係
・筋間の協調関係
・受動的制御と能動的制御
・累積負荷という観点
・協調関係を利用した関節負荷の分散
・歩行の観察とその手法

大学院の講義という事もあり,一般的な情報共有だけでなく,建内先生ご自身が携わったご研究についても手厚く紹介していただきました。特に,累積負荷という観点のご研究(間接負担という意味では,運動のし過ぎもそれはそれで問題である可能性)や,画像解析を用いた動作解析研究の試みについては,非常に興味深いトピックでした。

さらに,授業の最後では,研究室の大学院生2名の発表を聞いていただき,有益なコメントを頂戴しました。学会発表等ではコメントをもらえる時間が限られるため,授業の中でじっくり話を聞いてもらえるというのは,院生にとっても私にとっても,大変貴重な時間です。

ヘルスプロモーションサイエンス学域では,これからも様々な先生をお招きし,大学院教育を充実させる努力をしていきます。これまでお招きした先生については,こちらをご覧ください(リンク先”大学院特別講義”のコーナーを参照)

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