セラピストにむけた情報発信



OUセラピスト講座を終えて




2009年6月2日

5月31日の日曜日に,本年度のセラピスト向けオープンユニバーシティ講座「1日で学ぶ知覚と認知の世界」を開催いたしました.あいにくの雨模様でしたが,30名の若いPT・OTさんにお集まりいただきました.

当日は90分×3回の講義のなかで,身体意識,意識と注意,視線行動と身体運動,アフォーダンスとデザイン,潜在的知覚情報処理と身体運動といったトピックスをご紹介いたしました.

身体意識に関するトピックスについては,参加者の方々から様々なご質問をいただきました.「意識といった主観的な問題をきちんと量化するためにはどうしたら良いのか」,「患者さんの言葉を頼りに意識経験を客観的に知る方法はないか」,「ミラーセラピーについては,視覚と体性感覚のずれが,かえって患者さんの不快感を喚起するといった話を聞くが,どう思うか」,「Lacknerのピノキオ錯覚では,上腕二頭筋に呈示された振動刺激がここまで強力に(他の正常な感覚入力の情報に勝って)錯覚を起こしているが,それはなぜか」,などといった質問です.いずれも大変興味深い質問であり,また慎重に回答すべき質問ばかりでしたが,こういった質問を通して新たに気づかされることが,こちらの思考を深めてくれるため,改めて双方的なやり取りが大変重要だと感じました.

参加者の中には,私が東北大学の大学院時代に国立仙台病院付属リハビリテーション病院で心理学を教えていたころの学生さんである岡崎加奈子さんがいらっしゃいました.これまでも多くの講演にご参加いただいていますが,会うたびにセラピストとして頼もしくなっている姿が大変輝いて見えました.また,旧保健科学技術大学の卒業生の方々(五味真也さん,浅尾章彦さん)にもご参加いただきました.現在は首都大学東京人間健康科学研究科として,私たちと同じグループに属していますが,現在のところその交流はまだ限られていることから,卒業生の方にご参加いただけたことは大変うれしく思いました.

8月9日(日)には,「セラピストのための心理学入門」という講座を提供いたします.お時間のございます方は,奮ってご参加ください.





(メインページへ戻る)