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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

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#669 報告:日本体力医学会,網本和先生・鈴木俊明先生合同ゼミ

918日に2つのイベントに参加しました。その様子を報告します。

日本体力医学会第76回大会(2021年9月17-19日)


●シンポジウム:「学際研究から挑む歩行姿勢制御機構の解明:地域保健・臨床応用を見据えた研究」


・話題提供
樋口 貴広 (東京都立大学 人間健康科学研究科)
「衝突回避行動の知覚運動制御:過剰な回避動作の弊害」
横山 光   (東京大学 大学院総合文化研究科)
「非侵襲神経機能計測によるヒト歩行制御の神経基盤の理解」
冨田 洋介 (高崎健康福祉大学 保健医療学部 理学療法学科)
「Revisit "stability" and "variability" in human motor control」
萬井 太規 (大分大学 福祉健康科学部理学療法コース)
「幼児期から学童期の予測的姿勢調整の発達過程」

・概要
旧知の仲である,桜井良太氏(東京都健康長寿医療センター研究所)と進矢正宏氏(広島大学)のオーガナイズの,90分にわたるシンポジウムが開催されました。私がトップバッターとなり,衝突回避行動における過度な回避行動における弊害の可能性について議論しました。その上で,最適な調整を模索してもらう方策としてVRシステム利用の可能性について報告しました。横山氏は,歩行におけるリズム生成のメカニズムについて,人間が動物と類似するシステムを利用している可能性や,人間独自の機構として大脳皮質を利用している可能性について明らかにするための最新の研究技術を紹介されました。冨田洋介氏は,立位時でのリーチング動作の協調性を多角的に評価することで,脳卒中者における制御の問題点を報告しました。萬井太規氏は,予測的運動調節(APA)の発達的変化の特徴,発達性協調運動障害児(DCD児)にみられるAPAの特徴などについて報告されました。

網本和先生・鈴木俊明先生合同ゼミへの参加


・概要
東京都立大学の網本和先生と,関西医療大学大学院・鈴木俊明先生が,研究室交流として行っている合同ゼミへ飛び入り参加しました。私の研究室からは,D3の渡邉諒君が,立位ステップ動作における意思決定に関する研究発表をしました。それぞれの研究室には色があり,その一端を院生の方々の発表から学ぶ機会となりました。

・話題提供
清原克哲氏(関西医療大学大学院)
「筋収縮強度を一定に保持する課題の精度の向上が体性感覚
入力に及ぼす影響-短潜時体性感覚誘発電位を用いた検討-」
林哲弘氏(関西医療大学大学院)
「運動観察によって増大した脊髄前角細胞の興奮性は観察直後にも持続する」
渡邉諒氏(東京都立大学)
「立位ステップ動作における複数選択下での運動計画:予測的姿勢制御に着目した検討」
加藤優一氏(東京都立大学)
「Pusher 現象と半側空間無視を呈した脳血管障害症例の回復過程分析 」
廣澤全紀氏(東京都立大学)
「頸部筋と体幹筋への振動刺激の組み合わせが身体定位と空間認知に及ぼす効果」

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