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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

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#667 9月の学会等で発表について(2):日本VR学会,千葉県理学療法士協会主催研究会

前回に続き,9月の学会等での活動内容についてのご報告です。

日本バーチャルリアリティ学会第26回大会(2021年9月12-14日)


●シンポジウム(VR心理学研究委員会企画):「身体運動×VR×知覚認知科学」(9月12日,14時00分~15時20分)

・話題提供者
七五三木聡(大阪大学)
樋口貴広(東京都立大学)

・抄録
運動,健康・スポーツ,リハビリテーションに対する認知科学の貢献とVRとの接点について,基礎研究に軸足をおきながら幅広く研究を行っている研究者の方々にご講演をいただく。VRは身体の動作に対して自然で効果的な感覚フィードバックを呈示できるため,身体運動と知覚とのダイナミックな相互作用を明らかにする研究ツールとして活用されている。また現在では,スポーツやリハビリテーションにおける訓練ツールとしての利用も進んでいる。招待講演者による最先端の研究成果の紹介を通じて,認知科学研究におけるVRの可能性について改めて考え,議論することを目的とする。


千葉県理学療法士協会主催・生涯学習研修会(2021年9月19日)


歩行と転倒:知覚・認知の視点で学ぶ(9:00-12:10)


講 師:樋口 貴広 (東京都立大学・知覚運動制御研究室)
    室井 大佑 (千葉県立保健医療大学)
概 要:高齢者の転倒予防は、身体機能や運動機能を維持するだけでは難しいことが示唆されている。歩行中の動的バランス維持に必要な知覚・認知機能の視点から、転倒予防についての理解を深める。また慣れていない環境では普段通りの行動ができないことや、慣れた屋内環境では自律的に歩行している人が屋外で転倒してしまう現象について理解する。

転倒予防のための取り組み:障害物回避の視点から(13:10-16:20)

講 師:樋口 貴広 (東京都立大学・知覚運動制御研究室)
    室井 大佑 (千葉県立保健医療大学)
概 要:転倒を予防するには動的な姿勢制御だけでなく、環境情報から適切な歩行調整が行えているかなど、多角的視点から評価を行う必要性があることを理解する。疾患特有の障害物回避行動や判断能力について、動画を交えて解説する。また臨床で活用できる評価バッテリーを紹介するとともに、転倒予防の世界的な取組みについても学ぶ。


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