セラピストにむけた情報発信



講演@第14回東京臨床理学療法研究会

 


2013年10月7日

9月28日(土)に,東京臨床理学療法研究会が開催されました.

この研究会は現在,首都大学東京の網本和先生を会長として運営されており,今年が14回目の開催となります.今回は講演2題,ショートレビュー1題,一般演題4題の構成でありました.

午前中は関西医療大学の鈴木俊明先生が,「運動イメージと脊髄神経機構」についてご講演されました.

運動イメージの研究は数多くありますが,その効果を脊髄の興奮性のレベルで検討している点に鈴木先生のご研究のオリジナリティがあります.

講演では初学者を念頭に,脊髄の興奮性をいかにして測定するか,また特にF波と呼ばれる成分を主たる指標にすることのメリットについて,かなりの時間を割いて解説されました.その後,このF波を用いて運動イメージの効果を検証した一連の研究について,成果の一端をご報告いただきました.

午後は一般演題4題の発表がありました.ミラーセラピーや隙間のすり抜けを介入として脳卒中片麻痺患者に適用した研究や,ロッドアダプテーションという新しい手法に関する研究,ならびにデュアルタスク中の脳活動に関する研究などが報告されました.

続いて埼玉みさと総合リハビリテーション病院の万治淳史先生より,「リハビリテーションロボティクスの動向」についての講演がなされました.

これまで普及しているロボットアシスト型のリハビリテーションについて,どのような狙いに基づき開発されたか,また具体的にどのような機能を有しているかという観点から,体系的な分類の枠組みが提供されました.また万治先生ご自身が利用されているロボットアシストとして,HALを用いた介入研究についてその概略が説明されました.

最後に私が,「歩行の視覚運動制御」というタイトルのもとで話題提供をしました.「予期的制御」「視線行動」「運動空間の身体性認知」というキーワードに基づいて,研究室の成果や周辺領域の話題についてご紹介しました.

会長の網本先生,並びに事務局の松田雅弘先生(植草学園大学)をはじめとして,とても組織だった運営スタッフの皆様のおかげで,大変充実した時間を過ごすことができました.感謝を申し上げます.


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