セラピストにむけた情報発信



講演(理学療法士講習会@徳島,徳島県認知リハビリテーション勉強会)

 


2013年7月29日

7月27日-28日に徳島県で2つの講演を担当いたしました.今回はその様子についてご報告いたします.

7月27日は鴨島病院さんにて,徳島県認知リハビリテーション勉強会の講師を担当いたしました.90分という短い時間ではありましたが,拙著「運動支援の心理学」から「分割的注意」と「運動学習」の内容を中心に話題提供をいたしました.

この勉強会については,鴨島病院の海部忍様にオーガナイズしていただきました.2年も前から予定をご検討くださり,当日に至るまできめ細やかなご配慮をいただきました.今後とも様々な形で交流が続けばよいなと考えています.

7月28日は徳島文理大学にて,理学療法士講習会(基本編理論)「身体知覚と運動学習」の講師を担当いたしました.この講習会は,3年連続で同一講師が同一会場にて講習を担当するというシステムです.今年が最終年度の3年目でありました.畿央大学の森岡先生と一緒に講師を担当しました.

講演内容はやはり拙著「運動支援の心理学」の内容に沿って展開しました.「視覚と運動」,「注意」と「運動学習」の内容を中心に話題提供をいたしました.

今回の講演では特にフロアーの方からの充実したご質問が心に残りました.

「仮に運動学習の際の環境設定が重要であるとして,具体的にどのようなタイミングで実環境に近い環境を導入すべきか?」,「multi-garget stepping課題のように歩行そのものに認知的負荷が高い課題の有用性を考えた時,歩行中に計算をさせるといった従来型のデュアルタスク訓練は有用といえるのか?」

いずれのご質問も会場の皆様との議論を深める上で効果的なものでした.

森岡先生のご講演は例年通り,参加者の皆様を満足させる内容でありました.

「身体知覚」および「運動学習」という2つのテーマのうち,特に「身体知覚」については,森岡先生自身が携わっていらっしゃるテーマのご紹介が印象に残りました.特に,信迫悟志氏との共同研究として行われた,「他者の頸部回旋動作を伴う行為の観察が,頸部痛患者の頸部痛緩和に寄与する影響」の結果については,非常に強い関心を持ちました.今後この研究がどのように展開されていくのか,とても楽しみにしております.

これで徳島での講演については一区切りがつきました.徳島文理大学の鶯治夫先生はじめスタッフの皆様(特に近藤慶承先生,日岡明美先生)には大変お世話になりました.

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