2012年12月17日
12月16日に江東区にある臨床福祉専門学校において,保健医療科学研究会主催の講演を担当いたしました.「運動学を臨床で活かす-知覚・認知と運動学-」というタイトルのもと,5時間にわたって話題提供をいたしました.
講演では,「身体運動と知覚認知の不可分性」,「視線と身体運動」「学習の特殊性:環境設定の重要性」「注意のコントロール」「身体感覚」「コミュニケーションスキル」に関する話題を提供しました.
今回の講演では,個別質問として様々な症例に関するご質問をいただきました.
- 屋内環境では身体と環境の空間関係を正確できるのに,屋外ではそうした空間関係の知覚が困難なケース
- 前庭障害患者において,視環境の変化に対して極端にバランスを崩しやすいケース
- 脳卒中患者において,自分に向かってくる状況(すれ違う人の存在や,向かってくるボールの対処)が難しいケース
- 全盲の患者さんにおいて,下向き姿勢を改善できず,体幹のアライメントが崩れているケース
- 脳幹疾患患者で,左右の眼を協調的に働かせることができないケース
いずれの症例につきましても,今回の講演内容とも密接に関連する臨床的問題でありました.質問者の方に直接役に立ちうる情報を提供するには役不足ではありましたが,私なりに誠意をもって議論させていただいたつもりです.
本講演をもって,今年私が担当する講演はすべて終了いたしました.
今後数か月は講演活動を控え,研究活動や単著本の執筆活動に集中する予定です.こうした活動の成果をうまく含めることで,来年は今年とは少し違った情報も講演の中に含めていきたいと考えています.
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