セラピストにむけた情報発信



東京大学・原正之先生との交流




2012年5月21日

私の共同研究者の一人に,現在東京大学工学研究科にて助教をされている原正之氏がいます.

原氏との出会いは10年前の2002年になります.私が横浜国立大学でポスドクをしていた頃,原氏は当時お世話になっていた薮田哲郎先生のもとで大学院生をされていました.薮田先生も原氏も,工学者でありながら認知科学についても造詣が深く,私の研究についても関心を持ってくださいました.

こうした交流の中で,お二人が携わっていたハプティック・インターフェイス(触覚や力覚をバーチャルリアリティの中で再現する装置)の研究のお手伝いをする機会をいただきました.装置がいかにリアリティを持っているかについて,心理学的な観点から評価しようという目的のもと,実験を行い,いくつかの論文を発表しました.

原氏は2008年に博士課程を修了後,東大の特任助教,スイス連邦工科大学ローザンヌ校での研究員を経て,現在に至ります.特にスイスでは,意識研究で著名なO.Blanke教授とも研究実績があります.

今年の4月に,久しぶりに再会の機会を得ました.本学にご来訪いただき,私の研究室スタッフを対象として,「ロボティクス・ハプティック技術のニューロサイエンス研究への応用」というタイトルにて講演をしてもらいました.工学的なデバイスを開発しながら,常に認知科学分野との接点を忘れないという原氏のスタンスは,この10年間の経験でさらに磨きがかかっていることを実感できる内容でした.

講演の際には,彼が開発したハプティックシステムの1つを持参してくれたことで,スタッフ全員でそのリアリティを体感しました.大学院生の多くが医療従事者であることから,こうした交流を通して,リハビリ分野へ応用可能な研究のアイディアが生まれたら良いな思っています.

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