セラピストにむけた情報発信



本年もよろしくお願いいたします.




2012年1月5日

2012年最初の更新です.本年もご支援のほどよろしくお願いいたします.

本学において3月の修了を目指す大学院生は,正月休みを明けてすぐに修士・博士論文を提出することになります.今年度私の研究室では,博士課程の安田和弘君(PT)と,修士課程の三戸部純子さん(看護士)が論文提出を予定しています.彼らにとって正月は,まさに不眠不休の毎日です.日々迫りくる締め切りに,「締め切りがあと数日のびてくれれば..」と願う一方,「早く締め切りが来て,この苦しみから解放されたい」とも願っているかもしれません.

指導教官も気持ちは同じです.幸い私が指導する2名は,正月休暇前に素案を提出してくれたため,私自身は実家の仙台で正月を過ごすことができました.しかし完全に休んでいるわけではなく,大学院生からの修正論文提出を待つ,いわばスタンバイの状態です.家族行事の狭間でおこなう論文チェックはなかなか容易ではありませんが,大学院生たちの気持ちに沿って修正をおこなっていきます.

多くの課題を抱えた状態での長期休暇は,時に煩わしく感じることがあります.例年正月休みは,心からリラックスするというのが困難であり,できるだけ短時間で仕事に復帰したいという思いを抱えて休みを取ります.一方,強制的に日常業務から解放されることで,混乱した頭の状態を整理したり,新年の目標を立てたりと,結果的には今後のモチベーションを高めるのに重要な時間を過ごしています.



私にとって昨年は,博士号を取得して10年という節目の年でありました.お陰さまで数多くのセラピストの方と交流する機会を得ることができました.また個人内では比較的多くの論文を公表することもできました.さらに,研究室スタッフのおかげで興味深いデータを得ることもできました.2012年度はできるだけ外出業務を控え,こうしたデータの公表に努めたいというのが,個人としての目標です.

皆様は2012年の目標として,どのような目標を立てられたでしょうか.



年末の仙台では,小学校時代の同級生10人と会合の機会を持ちました.震災後初めて再会したため,震災時の状況やその後の経過についても,数多くの話を聞くことになりました.個々に壮絶なエピソードを持っているにもかかわらず,全員が「うちはまだマシなほうだったから平気」と言っていたのが大変印象的でした.

仙台市内の中心部は,表面的には震災直後の混乱も回復し,街にも活気が戻っていました.しかし沿岸部の諸問題に携わる仕事を持つ友人が,一言私にこう言いました.

「東京にいる人たちに伝えてくれ.震災の問題はまだ何も終わっていない.」

2012年も,昨年と同様に被災地のことを想い,活動していくことが重要なのだと改めて感じました.

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