セラピストにむけた情報発信



科研費プロジェクト:複雑な実環境で形成される知覚-行動系の実験的研究




2011年8月24日
8月19-24日の期間に,共同研究者として関わっている科研費プロジェクト,「複雑な実環境で形成される知覚-行動系の実験的研究」の活動の一環として,ドイツのルネブルグを訪問いたしました.

あいにくリハビリに関わる研究活動ではありませんが,日頃の研究活動の一端のご紹介としてご覧いただければ幸いです.

プロジェクトの詳細はHPをご覧ください


本科研費プロジェクトは,国内研究者3名と,海外連携協力者3名により構成されています.「心理物理学の応用」,「音楽知覚」,「歩行」という3つの部門に対して,国内・国外研究者が1名ずつ携わり,研究を行っています.

私はニューヨーク大学のLaurence Malouney教授とともに,歩行部門を担当しています.Malouney教授は歩行の研究者ではありませんが,知覚と運動の問題で大変優れた業績を上げており,多くの貴重な示唆をもらっています

この科研費プロジェクトでは,毎年1回,構成研究者が一堂に介して,成果発表会をおこなっています.2008年がドイツベルリンでの国際心理学会,2009年が福岡,2010年が大阪(日本心理学会).そして今年が,Fritz Muller教授がいらっしゃるルネブルグでのミーティングでした.

本プロジェクトのメンバーは良き仲間であり,良きライバル関係にあります.他の部門に遅れを取らないように,1年間でまとまった成果が得られるよう,長期的視野を持って研究しています.こうした仲間の存在は,研究を生産的に推進するうえで欠かせません.

特に本プロジェクトに参加している日本人研究者の皆さんは,大変英語が堪能なため,そうした意味でも努力が必要です.

ルネブルグは小さな町ですが,素敵な建物が多く,大変良い印象を持ちました.休憩時間におこなったジョギングでは,渡り鳥の群れにも出会い,日本での生活とは違った時間を過ごしました.

滞在中は,ヴォルフスブルグ(サッカーの長谷部選手の滞在するチームがある都市です)にもお邪魔し,自動車メーカーのフォルクスワーゲンで人間工学的研究を行っている研究者とも研究交流を行うことができました.内容の詳細は申し上げられないのですが,心理学的基礎研究に基づき,安全を支える最先端の機器を開発する様々な研究から,多くの刺激をもらいました.

このページを更新する4時間前に帰国したばかりですが,数日後には,阪奈中央リハビリテーション専門学校同窓会での講演が控えています.海外で得たエネルギーを,講演に生かすことができればなと考えている次第です.

     
プロジェクトリーダーの森周司教授(
九州大学),ホストの
Fritz Muller教授(Leuphana University
   ルネブルグの様子 

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