セラピストにむけた情報発信



現在の状況




2011年3月23日

首都大学東京では,昨日予定されていた卒業式・修了式が中止となりました.

被災地の状況に加え,いまだ余震の続く状況での学生の安全確保を考えれば,いたしかたない判断と言わざるをえません.

卒業式には非常に多くの意味があります.これまでの学生生活へのねぎらいや,新生活に対する応援,仲間達との最後の集い.

教育に携わる者にとって,この重要な式典を中止にするというのは決して容易な判断ではなく,いたしかたないとはいえ,非常に残念な思いがあります.

学校が津波にのまれてしまった地域では,学校関係者が複数の避難所に出向き,卒業式を開かれている映像を眼にします.極度の燃料不足のなか,寸断された道路状況でこうした活動をすることには,どれほどの苦労があるだろうと推察しながらも,教育者としてこの大事な,とても大事な行事を守り,学生さんの卒業を見送られたご努力に心から敬意を表する次第です.

グループ内ではささやかながらも,想いをこめた集いの場をもち,学生たちの卒業を祝いました.限られた時間ではありましたが,とても良い時間を過ごしました.




損傷が比較的少なかった被災地にいる家族や仲間からは,復興に向かって進んでいる情報が届くようになりました.

10日ぶりに水道が回復した地域,スーパーでわずかながらも物資が手に入るようになった地域,津波にのまれた大量の放置自動車が撤去され始めた地域,...いずれも,数日前の情報よりも確実に前に進んでいる情報です.

東京からは募金だけでなく,物資を送ることが可能となり,私たちが貢献できることも少しずつ増えてきました.東京都庁が取りまとめている物資支援受付には,非常に多くの人たちからの物資が届いています.「募金とは別の形で,何らかの力になりたい」という想いは,多くの人たちに共通の気持ちなのだなと感じます.

被災地の人たちは皆助け合って生活しています.避難所や原発地区にいらっしゃる人たちの生活はいまだ改善が見られないという厳しい現実もありますが,生活機能を回復した人たちが,遠方の被災地を助けに行くという支援の輪が広がっています.

自分の身近な人を助けることにしか,被災地にむけて直接的な貢献ができていないことへの歯がゆさがありますが,そうした活動が巡りめぐって近隣の多くの人たちを救うことにもなるのだと信じて,自分にできる活動を続けているところです.


3月27日,震災後初めて公の活動をする予定です.色々な思いを胸に秘めながら,与えられた責任を全うしたいと思います.



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