レンヌ第二大学、レンヌの街について (写真:八木悠允、西山雄二)
レンヌ第二大学の風景
レンヌ第二大学の風景
レンヌ第2大学はレンヌ大学(1735年設立)から第1・第2に分割される形で1969年に設立された国立大学。起源をたどると、フランソワ2世が1460年に設立したブルターニュ大学以来の歴史を有します。学部の構成は、芸術・文学・コミュニケーション学科(造形芸術、演劇、美術史、文学、音楽、情報科学コミュニケーション)、人文社会学科(心理学、教育学、社会学)、言語学科(18言語)、社会科学学科(経営、地理、歴史)、身体スポーツ学科。学生数17,000人、教職員数645名の大学です。
大学公式サイト: http://www.univ-rennes2.fr/
市内から地下鉄で10分ほどでレンヌ第二大学へ。地下鉄駅の目の前に事務棟が立っています。
船の形を模した人文系の建物。
カフェテリアなどが入っている建物
暖かい午後は芝生で談笑
南大沢キャンパスにもありそうな風景
大学内に語学学校CIREFE(Centre International Rennais d’Etudes du Français pour Etrangers)があって、留学生は安価で登録することができます。登録学生はフランス語をかなり習得することができると大変評判の良い学校です。掲示板には文化イベントの告知がたくさん。
図書館の様子
大学内に保育園があり、子供を預けている教職員が自主運営しています。
レンヌ大学での生活(学生寮、学食)
レンヌ大学での生活(学生寮、学食)
大学の目の前に学生寮の建物群があります。家賃は218ユーロ(23,000円ほど)で、住宅補助を差し引いて実質的には180ユーロ(20,000円)ほど。市内プールや運動場も隣にあるのでスポーツもできます。
玄関の管理人さん。閲覧用の新聞や雑誌。
集合郵便ポスト。
机、椅子、ベット、冷蔵庫、シャワー、トイレ、洗面所がついています。
ベッド下には収納もあります。玄関にもかなりの収納スペースがあります。
各階にある共同の調理場と食堂
談笑室には大きなテレビがあり、サッカー観戦などで盛り上がります。
大学と学生寮の隣に大きな学食があります。いろいろなメニューから、前菜、メイン、デザートを選んで、パンを付ける定食が一般的。
メインは肉料理、魚料理、パスタ、ピザなどを選びます。こちらはパスタ・コーナー。
定食は3ユーロ(350円)ほどでおなか一杯になります。
レンヌの街
レンヌの街
「私にとって、レンヌはバビロンのようだ。」―シャトーブリアン『墓の彼方からの回想』
レンヌはパリ・モンパルナス駅からTGVで2時間ほどのところにある、フランス北西部のブルターニュ地方の中心都市です。人口40万人で、フランス第十番目の規模の都市。こじんまりした市街地に地下鉄が一線だけ走っています。有名な観光地モン・サン・ミシェル(上写真)にはバスで1時間ほどで、ブルターニュ地方観光の要所になっています。新古典主義建築のサン・ピエール大聖堂やサン・ソーブル教会、ブルターニュ博物館とレンヌ美術館、広大なタボール庭園などがあります。1720年に街の半分が焼失してしまうという大火に見舞われましたが、旧市街には木と石で建造された独特な建築なども残り、大火以前の街の様子をうかがい知ることができます。 街は18世紀半ばに復興し、整備されたレンヌには新旧それぞれの魅力が備わっています。
レンヌ観光局HP www.tourisme-rennes.com
交通
レンヌはフランス国内だけでなく、ヨーロッパ各地へのアクセスがあります。フランスの大学は休暇がとにかく多いので、ヨーロッパ各地に旅行に出るのもよいでしょう。
1)飛行機
市内からバスで10分のところにレンヌ空港 l'Aéroport de Rennes があります。パリ・シャルルドゴール空港まで1時間(1日3便)。他にも国内は、リヨン、マルセイユ、トゥールーズ、ニース、ボルドー、モンペリエ、フィガリへのフライトがあります。国外へは、イギリスのサウサンプトン、エクセター、マンチェスター、コーク、アイルランドのダブリン、シャノンへの便があります。各地への観光旅行に便利です。
レンヌ空港: http://www.rennes.aeroport.fr/
2)鉄道
レンヌはパリ・モンパルナス駅からTGVで2時間。本数は1時間に2本あって便利です。正規料金は片道58ユーロ(約6300円)ですが、フランスの鉄道は購入時期や時間帯によって大幅な割引が多く、たいていの場合は割引料金で購入できます(最安で片道19ユーロ=約2100円)。レンヌから乗り継いでフランス国内のどこにでも行けますが、とりわけ、リール、リヨン、マルセイユにはTGVの直通便があります。
フランスの国鉄SNCF: http://www.sncf.com/
3)バス
フランス国内のバスはほとんどありません。ただ、ヨーロッパとその周辺国を結ぶ長距離バスネットワーク「ユーロライン Eurolines」があります。レンヌ―パリは1日1便で往復50-60ユーロほど。レンヌからロンドン、ベルギー、ドイツ、スペイン、イタリアなどの各都市、ウィーンやハンガリーなどの中欧まで安価で行くことができます。長距離夜行バスなので女性学生ひとりではやや不安ですが、格安旅行には大変便利です。
ユーロライン: http://www.eurolines.com/
街の中心地サンタンヌ広場
市役所前の通り
レンヌ第1および2大学と28のグランゼコールがあるレンヌは、6万人の学生を擁する大学都市(留学生は5500人ほど)。他の都市と比べて若者の比率が多く、活気のある街です。左派の政治色が強いため、社会保障が手厚く、フランスでも住みやすい都市として定評があります。
1720年に8日間にわたって燃え続けた大火で、古い建造物の大半が失われました。ただ、旧市街には焼失をまぬがれた中世やルネサンス期の木骨組造りの建造物がいまなお残っています。サン・ソーヴール通りをはじめ、散策に最適な通りも多い。
サン・ピエール大聖堂 La Cathédrale Saint-Pierre
17世紀に建てられたネオ・クラシック様式の建築。ドーム型の天井をはじめ、装飾の施された祭壇など内装に見るべき点が多い。
http://cathedralerennes.catholique.fr/info/cathedraleStPierre.html
タボール庭園 Jardin du Thabor
広さが10ヘクタールある庭園はレンヌ市民の憩いの場所。フランス式庭園をはじめ、植物園、バラ園などがあり、園内には季節の花が咲き乱れます。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Parc_du_Thabor
レンヌ美術館 Musée des beaux-arts de Rennes
14世紀から現代にいたる絵画を1000点以上収蔵。ピカソやコローなど著名な作品もあります。なかでも傑作といわれるのがジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「キリスト降誕」。同じ建物内には伝統的な家具や衣装を展示したブルターニュ博物館があります。
www.mbar.org/
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「キリスト降誕」
クレープ
街のクレープ屋
ブルターニュ地方はそば粉で塩味のガレットが有名。小麦粉で主に甘い料理になるクレープとは異なる。
コップの飲料はシードル。ブルターニュ地方は林檎の産地。シードルを蒸留すると林檎のブランデー(例えば有名な「カルヴァドス」)ができます。19世紀末ごろまではヨーロッパでは衛生上生水を飲むことが大変危険だとされたので幼児のうちからシードルを飲んでおり、現在でもその慣行があるそうです。