研究紹介

 大気中に微粒子が浮遊している系をエアロゾルと呼びます。エアロゾル粒子の大きさは数nmから100 μm程度まで広範囲に及び、その化学組成は多種多様です。近年社会的な関心を集めているPM2.5もその一部です。エアロゾルは大気汚染物質であると同時に、太陽光を遮ることで大気の放射収支すなわち気候変動にも大きな影響を及ぼします。しかしながら、その効果は複雑であり不確実性が非常に大きくなっています。
 エアロゾルの粒径や組成は、新粒子生成、凝集、凝縮などのプロセスによって時々刻々変化しており、その動態解明のためにはエアロゾルをリアルタイムで計測することが必要となります。本研究室では、レーザーや質量分析計を用いた実時間エアロゾル計測装置の開発、およびフィールド観測に基づくエアロゾル生成過程の解明を主な研究目的としています。具体的な研究例を以下に示します。

アジア広域の二次エアロゾル生成過程に関する研究
航空機排気ナノ粒子の動態解明