---P2 <学生支援スタッフ振り返り会/勉強会>  2月16日(木)に、学生支援スタッフと共に聴覚障がいに関する勉強会と後期の振り返り会を行いました。聴覚障がいに関する勉強会では、パソコンテイクの養成講座などでは抜けがちな聴覚障がいに関する医学的な特徴や聞こえ方に関する勉強を行いました。  当日はそれらの勉強を踏まえたうえで、聴覚障がいのある学生も参加していたことから、日常生活における困りごとや聴力について質問をすることで、聞こえに関する理解を深めることが出来る様子が見受けられました。次年度以降のパソコンテイクではどのような点に留意しつつ情報支援を行えばよいのか、といったことについて改めて考える機会となりました。  その後の支援活動の振り返りにおいては、今年度の活動の中で各自の感じたことや課題について共有をしたうえで、次年度の活動に向けた方針の確認、また学期始まりの動きについて確認をしました。  それらの中では、「授業と重複することが多く講習会への参加がなかなかできない《「バリアフリーチェックなど、所要時間のかかるものについては平日にコンスタントにやるか長期休暇にやる方が良いか、判断が難しい《といった声などが挙げられていました。  次年度以降も継続して「より良い支援とは何か《について考えつつ、学生たちと活動を継続していきたいと思います。(益子) ☆写真1=振り返り会の様子☆ <障がいのある学生支援/2022年度総括>  今年度の学生支援スタッフの活動では、ここ数年の活動の中心が聴覚障がいのある学生への支援であったのに対し、それ以外の活動にもエネルギーを費やした1年でした。 例えば、新入生説明会からよるダイバー、ダイバーシティウィークでのバリアフリーチェックの成果報告、青鳩祭への出展などです。これらの活動のシフトは、授業支援を中心的に利用していたろう学生の卒業と共に、学生支援スタッフの活動を維持・継続するための取り組みでもあり、また、新たに支援を要する学生が出てきた場合にどういう配慮が求められるのかを考えさせられる貴重な機会でもありました。そして、聴覚障がいのある学生への支援においては、その技術の継承・発展のためにも様々な活動を行ってきました。例えば、パソコンテイク養成講座の定期的な実施だけでなく、PEPNet-Japanのシンポジウムでの報告であったり、手話動画辞典の開発があります。  手話動画辞典の開発では、手話者であるろう学生が卒業すると共に、大学の中で手話技法をどのように継承するのかといったことから着想したものです。また、3月21日には卒業式においてパソコンテイクによる情報支援も行いました。captiOnlineを用いることで、スマートフォンで話している内容について確認できるような体制をとりました。次年度以降も、障がいの有無に関わらずよりよい大学生活を送るためにはどのような活動が出来るのかといったことについて考えつつ、学生たちと共に活動していきたいと思います。是非応援をよろしくお願いします。(益子) <寄稿『2023年春、卒業を迎えるにあたって』>  私がダイバーの活動に参加しようと思ったきっかけは、『自分の得意分野であるパソコン技術を活かすことで、誰かの手助けになるなら、それは良いことだと思ったから』という、至って平面的なものに過ぎませんでした。そこからの数年間は、自分が何も貢献できずに迷惑ばかりかけてしまっていると一人で思い込んでは落ち込み、全く活動に参加していなかった時期さえもありました。  しかし、そんな時を経つつも再びダイバーの活動に飛び込んだ経験は、いまの私を構成する大きなピースの1つを作ってくれたように思います。  そんな私がこれからも大事にしていきたいと思う考え方の一つが、『障がいや病気の有無、ジェンダーの捉え方などに関係なく、自分も相手も同じ一人の人間だということを忘れない』ということです。これは、とても当たり前なことのようで、しかし以前の私にとってはあまり意識できていなかったことの一つでした。  そして、ダイバーで様々な経験をする中で、誰だって嬉しかったら笑うし、悲しかったら泣くはずだというような、そんな『当たり前』に改めて気が付けたことは、私の人生において非常に重要な変化だったなと思います。  末筆になりましたが、お世話になった皆様、本当にありがとうございました。  学生支援スタッフ 都市教養学部理工学系電気電子工学コース 4年 中村征矢 ☆本人写真☆  <PEPNet-Japanの発表を通して>  PEPNet-Japanに参加して、印象に残っていることが2つあります。  1つ目は、他大学の支援活動について知ることが出来たことです。今回は愛知教育大学と宮城教育大学の発表を聴くことができました。教育大学、しかも、東海と東北の大学の話を一度に聴ける機会は今までなかったため、貴重な機会でした。パソコンテイクでは何を心掛けているのか、講義中、即時性が求められる問いかけが支援学生に当てられた場合、支援者はどのように行動すべきかといった話題について、各大学で考え方は様々でした。こうした気が付かなかったような視点を得られたことで、思考の幅や範囲が広がりました。  2つ目は、「東京都立大学ならではの活動とは何か?《について考える場になったことです。ダイバーシティ推進室では、障がいのある構成員支援以外にも男女共同参画の推進、多文化共生への取り組みというように、多様な視点から活動しています。今回のテーマは「聴覚障がいのある学生への支援の取り組み《でしたが、バリアフリーチェックやよるダイバーなどを交えながら発表しました。こうした多面的に考えられる都立大ならではの取り組みに、参加者の方々が興味をもってくれたことは嬉しかったです。  緊張もしましたが、普段会えないような他学年のスタッフと話すきっかけにもなり、楽しい思い出になりました。皆さんも参加してみてください!  学生支援スタッフ 人文社会学部人文学科 3年 高ほのか ☆本人写真☆