---P4 <ミニレクチャー"よるダイバー">  『ダイバーシティ』をめぐる、さまざまなテーマについて、ミニ講義やディスカッションで学び、ともに考える"よるダイバー"。後期も全8回を開催しました。前期はすべての回で、ダイバーシティ推進室の特任研究員が講師を務めましたが、後期は障がいについて学んでいる学生が、自身の調査結果をもとに報告を行ったり、障がいのある学生の体験談を踏まえて交通アクセシビリティについて考えたりするなど、学生が講師や話題提供者として参画する場面もありました。  さらに、世界を旅する地理教師を講師として招き、その体験談や失敗談を通じて、異文化に触れる体験とその理解のプロセスについて学ぶ回もあり、よるダイバーのプログラム全体を通じて、バラエティ豊かな内容となりました。  金曜18時からの開催ということもあり、基本的にはオンライン形式での開催となりましたが、第1回と第5回は、オンラインと対面のハイブリッド形式で開催しました。ハイブリッド形式は、どうしてもオンラインと対面とではその場へのかかわり方が異なるなど、運営に難しさもありますが、参加者にとっては自分の都合に応じた方法を選べるという点で大きなメリットもあることから、今後もどういった形式で開催することができるのか、引き続き工夫していくことが必要なのかなと考えています。  よるダイバーは、通常の授業や講座などとは異なり、誰もが対等な立場で、かつ緩やかな雰囲気のなかで学びあうことができるところに大きな特徴があると思っています。チャットを駆使して活発な質疑応答が行われ、さながらラジオの生放送のような雰囲気を醸し出していた回もありました。こうした、いい意味での”緩さ”を大切にしながら、さまざまな立場の人が気軽に参加できるよるダイバーという場を、これからも継続していきたいと思っています。(藤山) よるダイバー2022後期 コンテンツ 10月 14日 ダイバーシティ推進室の概要と取組み(対面)/講師:益子徹 10月 21日 青年期の発達障がい児の理解と支援/講師:都立大学部生 10月 28日 ジェンダー論は誰のもの?/講師:藤山新 11月 11日 運動障がいとアクセシビリティ/講師:都立大院生 11月 18日 多様な文化に触れるということ(対面)/講師:丸山健太郎氏 11月 25日 権利条約とその先へ/講師:益子徹 12月 9日 セクシュアル・マイノリティの現在地/講師:藤山新 12月 16日 まとめ・ダイバーシティというメガネをかけて/講師:益子徹 ☆集合写真☆ コラム <ダイバーシティ・ブックレビュー>(学長室 主事:小野木南帆) 佐藤文香監修・一橋大学社会学部佐藤文香ゼミ生一同著 『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた』 明石書店  今年度から学長室でダイバーシティに関する業務を担当している小野木です。私は昨年度まで大学生でした。ジェンダーについて専門的に学んではいませんでしたが、他の学生よりも少しジェンダーに関心がある、そんな学生でした。今回ご紹介する本は、私のようなジェンダーに関心がある方はもちろん、まったく関心がなく勉強したことがない方にも読んでほしいジェンダーについての入門書です。あなたが言われたことがある、もしくはそう思ったことがある29の『問い』に対して、一橋大学のジェンダー研究のゼミに所属する学生たちが丁寧にわかりやすく答えています。例えば、『フェミニズムって危険な思想なんでしょ?』では、フェミニズムへの誤解とフェミニズムが目指す『性別を理由とした差別の是正』について述べられています。  『女性は専業主婦になればいいから気楽だよね』、『男だって大変なのに、いちいち男を責めないでほしい』。これらは実際に私が大学生の時に言われた言葉です。性別に関係なく、ジェンダーに関する発言や行動で落ち込んだことのある人は私だけではないと思います。また他の人を傷つけるような言動をとった人も、ただ『知らない』だけだったのかもしれません。大学という場所は、多様な人々が集まり、自由に安心して学べる場所であるべきです。たくさんの人がこの入門書を読んで、ジェンダーについて考えるきっかけや、モヤモヤを解消する手立てにしてほしいと思います。(小野木) ☆本を持つ本人写真☆ <編集後記> サッカーW杯を観ています。審判の分野でもまだまだ男女差がある中、少しずつではありますが改善され、マイルストーンのひとつとして記憶に残る今大会となりました。 考えてみれば当たり前の事なのですが、人として個々の能力に応じ輝ける場があるということ。人も社会も古い概念から脱却してアップデートしていく事が、これからの時代ますます大切だと感じるこの頃です。(兼子) <発行> 東京都立大学 ダイバーシティ推進室 〒192-0397東京都八王子市南大沢1-1 図書館本館1階 電話:042-677-1337(直通)/内線2571 E-Mail:diverwww@tmu.ac.jp URL:https://www.comp.tmu.ac.jp/diversity/ 発行日:2022年12月28日 ☆二次元コード=ダイバーシティ推進室HP☆