---P2 第2回バリアフリー講習会 <僕たちはどう働いていくのか ~バリアフリーな研究室のあり方と大学~>  今回のバリアフリー講習会では、『僕たちはどう働いていくのか ~バリアフリーな研究室のあり方と大学~』というテーマで並木重宏先生(東京大学 先端科学技術研究センター インクルーシブ・デザイン・ラボラトリー准教授)にお話をいただきました。  近年障がいのある学生の大学進学や、その支援は拡充されつつあります。しかしながら、学生生活の中で多様な障がいのある学生が在籍することを想定した設備や制度の提供というのは、何処の大学においても十分に配慮されているとは言い難い状況にあります。  そういったテーマに対して、並木先生からはインクルーシブ・デザインという概念や、人権モデルといった考え方を踏まえたうえで、車や文具、それからゲームのコントローラーなど、誰もが使ったことがあるような日常のものを例にとり、それぞれにおけるインクルーシブ・デザインの例を紹介してくださいました。  そのうえで、私たちのもっとも身近なテーマである研究室や大学のあり方についてご紹介をしていただきました。視聴覚に障がいのある学生が、あるいは車いすを利用する学生が安心、安全にどう研究室を使うのか、そして、そこには物理的なバリアの除去が必要なのかといったことへのご紹介や、世界には沢山の障がいのある研究者の方がいらっしゃることについてお話がありました。特に、並木先生のご研究内容を踏まえたうえで、実際に車いすを利用する人にとって使いやすい研究室のモデルについても、ご紹介があり、受講生からは、「なるほど《という声が漏れる場面もありました。  また、障がいのある学生への配慮を検討する際に必要な観点として、本質的に障がいのある学生が行うことが求められる役割と支援者などによって代替可能な範囲はどういったところにあるのか、といった問題の切り分け方についてのご紹介もあり、受講者からは、『障がいを持ちつつも研究活動を続けていくにあたって、どのような道があるのかについて知ることのできる大変有意義な機会となった』といった感想や、『先生のお話にあった、“バリアフルレストラン”について非常に興味深く感じ、ぜひ都立大でも同様の施設が作れたらなと思った。自分の専門分野だけに依らない、幅広い知識をこれからも身につけていきたいと強く思った。』『並木先生は、様々な用語の説明から、実際に先端研でのプロジェクト、海外で活躍する研究者のことについてもお話下さり、もっと障がいがある方の社会参加を進めることが必要だと感じた。多数派の人たちの意識を変えることも必要だと思う。ご講演くださった並木先生、今回の企画を実現して下さったダイバーシティ推進室の方、ありがとうございました。』といった感想が挙げられていました。  今回の講演は “バリアフリーな研究室や大学のあり方”というテーマでしたが、バリアフリーを推進した先で享受できる便益というのは、障がいのある学生のみが受け取れるものではなく、広く大学の構成員が受けられるものです。今後はこのような講習会のみでなく、1人ひとりが安心・安全に研究ができるような環境構築に向けて働きかけたいと思います。(益子) ☆写真1=並木重宏氏☆ ☆写真2~6=集合写真と講演会の様子☆ <寄稿『バリアフリーチェックを通して』>  健康福祉学部作業療法学科1年の一木あゆです。私は4月に学生支援スタッフに登録しました。入学手続き関連資料の中にあったチラシがきっかけです。高校時代に車いすユーザーへの支援ボランティアを行っていたため、大学生になっても障がいのある人の支援を続けたいと思いました。  実際の活動を通し、まだまだ学ばなければいけないことが沢山あるなと感じます。 例えば、視・聴覚障がいや、発達障がいのある人の困りごとを学ぶだけでなく、その生活のしやすさを作り出すためには、どう改善すればいいのかなどを考える機会が多く、やりがいを感じます。  後期のよるダイバーでは、授業の一環で友人たちとともに制作した『青年期の発達障害児の理解と支援』について発表しました。この発表を通して、改めて私たちにできる障がいへの支援等について考えさせられました。  特に、発達障がいのある人に対して、こちらが理解を深めるだけでは支えにならない場合はどうするかなどについて深く考えました。約20分間の発表を1人で行うのはとても緊張しましたが、皆が意見を言い合えるような場づくりに努める、よるダイバーだからこそ、心地よく発表することができました。  これからも、ダイバーシティ推進室の様々な活動を通し、沢山の物事に目を向けて人とのつながりを大切にしていきたいと思います!よろしくお願いします。  学生支援スタッフ 健康福祉学部 作業療法学科 1年 一木 あゆ ☆本人写真☆