---P1 (東京都立大学ロゴマーク) 東京都立大学 ダイバーシティ推進室 ダイバーシティ通信  Newsletter No.31 ☆表紙写真=1号館 光の塔内の振り子時計☆ <Contents> P1 文化的多様性勉強会『NEIGHBORS~お隣さんとしての技能実習生』鈴木 竣也(すずき しゅんや)氏 P2 南大沢キャンパス(南西エリア)『バリアフリーチェック講習会』 の実施 寄稿『バリアフリーチェックを通して』 P3 2021年度第2回バリアフリー講習会『障がい学生のキャリア発達支援”カカワリ”の意味』 コラム『広がった価値観』 コラム『ダイバーシティとスポーツ』 P4 セクシュアル・マイノリティ教職員研修 東京都立大学一時保育施設『都立大KIDS』 コラム『ダイバーシティ・ブックレビュー』 <文化的多様性勉強会スライド&トーク『NEIGHBORS』お隣さんとしての技能実習生>  ダイバ*シティ推進室では、これまで文化的多様性に関わる取組として、主に外国籍の教員や留学生などを対象とした、茶道や座禅など、日本文化の体験を通じた交流会を開催してきました。しかし、コロナ禍の影響により対面での交流会の開催が難しくなったこともあり、今年度は文化的多様性を学ぶことを目的として、いわゆる『技能実習制度』を利用して日本にやってきたベトナムの人々を中心とした外国人労働者の暮らしをテーマに作品制作を行っている写真家の鈴木竣也さんを講師にお招きし、2022年3月4日(金)にスライド&トークイベントを開催しました。  静岡県富士市出身の鈴木さんは、3年余りにわたるニュージーランドへの留学から帰国した際に、地元に技能実習生をはじめとする外国人労働者が多数生活するようになっていて、子どもの時から見慣れた風景の中に異なった文化や価値観を持った人たちが住んでいることに強い印象を受けたそうです。  鈴木さんは、家族が経営する会社で多くの技能実習生を受け入れていることもあり、外国人労働者の人たちと身近に接するようになります。その中で、彼らが単なる働き手ではなく、一人ひとりの人間として普通に生活している姿や、見知った風景の扉の向こうに異文化があり、一人ひとりが生活していること、言うなれば『お隣さん』としてたくさんの外国人労働者が暮らしていることを、多くの人に知ってもらいたいと思うようになったといいます。  そうした点から、彼らを『技能実習生』や『外国人労働者』とひとくくりにして捉えるのではなく、一人ひとりの人間としてみる視点を持つことが大切だと、鈴木さんは指摘します。  司会者とのトークにおいては、外国人の学生や教職員が多数在籍している大学においても、特にダイバーシティ推進室をはじめとした大学の組織がどのようなサービスやサポートを提供することができるのかを考えるうえで、鈴木さんが指摘された視点は重要な意味を持つのではないかという方向性が示されました。  今回のスライド&トークは、鈴木さんの写真作品をたくさん紹介しながらのトークという形式だけでなく、内容的にも、これまでの文化的多様性に関するイベントとは一味違った、新しい試みとなりました。  参加者からは、『知ることが第一歩になると強く感じた』『情報は持っているつもりでしたが、写真は新鮮でした。事件・事故の際に報道される写真と違う、個人個人の生活の写真は、これからももっと発信してほしいと思いました』『本学でもいかにして『気づき』を促進していけるかが重要に思えます』などの感想が寄せられました。  イベント中の質問や意見も活発に交わされ、参加したみなさまにとって、実りあるひと時となったことがうかがえました。(藤山) ☆講師写真=鈴木 竣也(すずき しゅんや)氏☆ ☆写真1=浴衣を着てお祭りを楽しむ技能実習生☆ ☆写真2=技能実習生の住む部屋の生活感のあるキッチン☆ ☆写真3=地域に住む人たちとの交流会の集合写真☆