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多価イオン電子捕獲反応(断面積)
福田 健太郎,奥野 和彦

我々はkeV領域以下の低エネルギー多価イオンによる電子捕獲反応断面積の絶対値測定を行っています。(反応断面積とは、その反応の起こりやすさのようなもので面積の次元です。)多価イオンXq+、標的Yのr-電子捕獲反応過程は次のように表されます。

Xq+ + Y → X(q-r)+ + Yr+ + 僞

> 通常低エネルギーでの多価イオンビーム実験はビーム内粒子の空間電荷効果によりビームが発散してしまい難しいのですが、我々はビームガイドを用いビームの発散を防ぎ、現在までいろいろな衝突系において電子捕獲反応断面積を測定してきました。(文献参照)
 現在は炭素, 窒素, 酸素の多価イオンとヘリウム, 水素衝突系における一電子及び二電子捕獲反応断面積の測定を行っています。He,H2ともに二つの電子をもっていますが、Heは原子であり, H2は分子なので、標的種の違い、入射イオンの電荷数の違いなどが低エネルギー領域での電子捕獲反応断面積にどのような差異となって現れるか、また標的の分極ポテンシャルはイオン電荷数の二乗に比例して増大するので、電荷移行にどのような影響をもたらすのかということに興味を持ち実験を行っています。

参考文献


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