研究内容

研究概要
 人類の健康を維持し生活の質(QOL)を向上させるバイオマテリアル(生体機能材料)に関する研究をしています。バイオマテリアル研究の中で、先端かつ均質医療を実現するドラッグデリバリーシステム(DDS)応用研究を始め、様々なバイオマテリアルを創製しています。水溶性(液相系)のバイオマテリアルであるDDS材料として、バイオ医薬品をはじめとする広義の医薬(核酸、タンパク質、生理活性亜鉛)を、未だ治療法の無い疾患に適応させ、治療を実現する新規キャリアを合成しています。また、キャリアである高分子自体に、根治治療効果(外部刺激に応答して、その構造や機能を変化させるインテリジェント材料)や、体内で長期間安定に機能するための固相表面修飾能を持たせる(血液や生体組織に対して、高い親和性を有する生体適合性材料)など、新奇なバイオマテリアルも創製しています。この様に、当研究室では、化学と生命科学の学際領域研究を推進し、すなわち、生化学、有機化学、高分子化学、分子細胞生物学、薬学、医学を融合した研究により、人類の医療と福祉(生活環境)に貢献します。
主な研究内容
遺伝子(プラスミドDNA)デリバリーシステム
  微小遺伝子凝縮体による生体内未踏空間へのデリバリー ➡その場組織幹細胞再生医療
生理活性亜鉛(Zn2+)デリバリーシステム
  血糖降下ホルモン血中濃度の遠隔操作・細胞分化誘導 ➡糖尿病治療の革新・骨格筋再生
バイオマテリアル先端機能開拓
   バイオイナート表面構築 ➡シンプルコーティングによる血液適合性材料・医療デバイス
   コレステロールベシクル形成 ➡認知症治療・機能性デリバリーキャリア
  酵素擬似活性中心構築 ➡医薬品モダリティの拡大・生体内有害物質無毒化
研究キーワード
バイオマテリアル(生体機能材料)、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、デリバリーキャリア材料(高分子)、遺伝子(プラスミドDNA)、生理活性亜鉛イオン、バイオ医薬品、生体適合性、生体分子工学、医療・福祉
東京都立大学 総合研究推進機構NEWS Miyacology 15号<2023年8月>掲載 研究内容紹介
「未知なるバイオマテリアルの創製とドラッグデリバリーシステムの確立に挑む」と題して、研究内容を紹介して頂きましたので、併せて参照して下さい(https://research-miyacology.tmu.ac.jp/miyacology-articles/8122/)。