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専任教員紹介

  氏 名 専門 主要業績
准教授 高桑枝実子 古代の日本文学および日本文化の研究。具体的には『古事記』『日本書紀』の神話・歴史叙述・古代歌謡、『万葉集』の和歌作品の読みを通して、古代人の思想や言語表現、文化、世界観などを考察している。主な考察対象としているのは、上代(古代前期)の死と葬送に関わる文学、特に『万葉集』の挽歌である。古代中国の漢詩や平安時代以降の和歌を視野に入れつつ『万葉集』の挽歌を読み解くことで、当時の人々が死をどのように捉えていたか、挽歌とはどのような意味をもって詠まれた歌かを考察し、仏教が浸透する以前の古い日本の思想を探りたいと考えている。

『万葉挽歌の表現―挽歌とは何か―』(笠間書院、2016年)

『万葉語誌』(筑摩書房、2014年、共著)

『古代歌謡とはなにか―読むための方法論―』(笠間書院、2015年、共著)

教授 猪股ときわ  古代〜中世あたりまでの歌や神話的言説をそれぞれの「時」と「場」の中でいかに捉えるかを研究課題としている。具体的には、東アジアの漢字文化との出会いによる「和歌」なるものの形成過程の解明や、歌をうたい・よみ・書く行為がどのように宮廷文化(政治・思想・制度・世界観など)を構築していったかの追求などである。 『歌の王と風流の宮ー万葉歌の表現空間』(森話社、2000)

『古代宮廷の知と遊戯ー神話・物語・万葉歌』(森話社、2010)

『躍動する日本神話ー神々の世界を拓く』(森話社、2010、共編)
教授 大杉重男 主に近現代の日本文学を研究している。文学を自明の前提として考えるのではなく、それがどのような制度性に支えられているかを、政治や文化状況との関連や、文学作品の言葉の内在的構造の中に見出すことに努めている。徳田秋声を中心とする自然主義文学の脱構築的読解、夏目漱石をめぐる神話的表象の批判的分析を進め、現在では「読者」概念を基礎にして文学や文化をめぐる批評理論を再構築することを模索している。    『小説家の起源 徳田秋聲論』(講談社、2000)

『アンチ漱石 固有名批判』(講談社、2004)

「永井荷風と徳田一穂」(『永井荷風仮面と実像』ぎょうせい、2009、共編)
教授 大島資生 現代日本語を文法論的・意味論的見地から研究している。文の統語構造と、その背後にある意味的構造の相互関係に関心を抱き、連体修飾節構造など、いわゆる複文構造を中心に考察を行なっている。同時に、個々の語のもつ語彙的情報が、統語構造にいかに顕現するかという問題にも取り組んでいる。今後は、表現論・文体論に近い領域に関しても、文法論・意味論の側から接近する可能性を模索していきたいと考えている。   「現代語における主格の「の」について」(『国語学』199、国語学会、1999)

『日本語連体修飾節構造の研究』(ひつじ書房、2010)

「日本語連体修飾節構造の時制解釈について」(『日本語文法』11:1、日本語文法学会、2011)
教授
近藤瑞木 近世の小説史と文芸思潮について研究している。特に文学史上、未検討の問題が山積する十八世紀の小説ジャンル(浮世草子、読本、談義本等)について、諸作品の基礎的な調査、整理を進めながら、十八世紀小説史観の更新を目指している。
 また、近世文芸に於ける怪異の表象、怪談文化に関心がある。読本や絵本といったカテゴリーの枠を越えた近世怪異小説研究、ひいては絵画や演劇などのメディアをも包摂する近世怪異文芸論を展望している。
        
『初期江戸読本怪談集』(国書刊行会、2000、共編)

『百鬼繚乱―江戸怪談・妖怪絵本集成』(国書刊行会、
2002)

『幕末明治百物語』(国書刊行会、2009、共編)
助教 服部剣仁矢 古代の日本文学を研究しており、『古事記』や『日本書紀』、『万葉集』などのテキストを中心に分析している。「作品」に閉塞するのではなく、中世頃までの文献も視野に入れつつ、人類学や神話学、考古学などの隣接分野の成果も参照しながら、これまでの古代文学研究の枠組みとは異なる視点からの研究を模索している。現在は武器、特に刀剣の記述に注目し、文化誌とは異なる、個別のテキストでの武器が担う役割や喚起するイメージからテキストをとらえなおすことに取り組んでいる。
@「『古事記』における草那芸剣―剣の遍歴譚として読む試み(『古代文学』(55)古代文学会・2016年3月掲載)
A「『日本書紀』における草薙剣―記紀のクサナギの剣」(『古代文学』(57)古代文学会・2018年3月掲載)
B「剣(つるぎ)―『古事記』応神記における大雀の佩刀を讃美する吉野国主等の歌」(吉田修作編『ことばの呪力―古代語から古代文学を読む―』おうふう・2018年3月掲載)



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