沿革

観光科学教室は、2007年4月に都市環境科学研究科内の大学院観光科学専修として発足し、2008年4月には大学院1期生が入学しました。翌年には観光科学域として改組され、都市環境学部には自然・文化ツーリズムコースがつくられました。2010年4月には博士後期課程の学生の受け入れを開始し、都市環境学部の自然・文化ツーリズムコースには、学部3年時に他学部・他コースから転属するという形で、学部1期生を迎え入れました。そして、2018年4月には首都大学東京の組織再編に伴い、自然・文化ツーリズムコースは観光科学科と名称変更するとともに、念願の学部入試を実施して1年生から学部学生を受け入れることになりました。

 

2018年4月現在で、教授4人、准教授5人、助教5人が在籍し、博士後期課程22人、博士前期課程26人、学部生71人が学んでいます。留学生も多く受け入れており、東アジアや東南アジア諸国を中心に、多くの国々からの留学生を受け入れています。また、交換留学や学生派遣などのプログラムを活用して毎年複数の学生が海外の大学で学んでいます。

コンセプト

本学科では、工学や理学といった理系分野をベースに、「観光を科学する」ことを目標としています。観光の基盤となる地域の環境や文化の保全や資源の適正利用を進め、観光を活用して地域の魅力や価値の向上、地域経済の向上といった地域づくりを進めるための教育、研究をめざしています。

観光科学教室の3つの領域

観光科学教室は「自然環境マネジメント」「地域計画・マネジメント」「行動・経営科学」の3つの領域から構成されています。

観光科学教室の学問的広がり

自然環境マネジメント領域

自然環境を利用する観光現象における人・生物・物理環境を対象に、農林水産業、地域参画、環境教育、環境保全に関する活動における、生態系の保全と開発のバランスの最適解を見出すことで、持続的な自然環境の利用とその管理に貢献することを目指す領域です。生物資源学、地域環境学、生態環境学を活用して観光にアプローチします。

地域計画・マネジメント領域

生活や生業の場である都市や集落地域の空間や建造物と、そこで生まれる有形・無形の文化を観光資源として活用する観光や、その観光を通して地域環境の改善や魅力向上のための実践的な計画・実現手法を研究する領域です。観光まちづくり学、観光インフラ計画学、観光政策、観光地域史などを活用して観光にアプローチします。

行動・経営科学領域

観光者、観光関連企業・組織やその従業員など、観光に関わる様々なアクターの心理や行動を科学的に研究し、観光関連企業・組織が観光者の顕在・潜在的ニーズに合ったサービスと情報を提供するための方法を確立することを目的とする領域です。観光心理・行動科学、観光情報学、観光経営学などを活用して観光にアプローチします。