●推奨図書(大学院)
・大学院生への本のガイドも考えて見てはいますが、とりあえず次の
web siteを紹介しておきます.
AMS Recommended Texts
●推奨図書(学部)
・学部学生向けに1つの本のガイドを書いて見ました。
なにかの参考になれば幸いです。
学部学生向け参考図書(pdf-file)
●雑感
・数学の研究ってどんなことをやってるの?ってよく聞かれて、
その問いに答えようとしてみますがなかなか難しいです。
何か数学的な視点でおもしろさを伝えようとしたりもしますが、
ああそれおもしろそうですね!って共感を得るには一般の人には
生活に密着した共通の問題意識がないと大変です。
それはそのとおりであって、私も数学に関する話題でさえ、
ある話題がおもしろいと感じるには、自分自身にそれを感じる
だけの備えとタイミングが必要な気がします。あるとき、突然
おもしろいと感じるようになる数学っていうのもあるみたいです。
何の世界もそうかもしれませんが、数学という分野も入ってみれば
膨大な世界です。その世界に触れて、すごいって関心したり、
難しさ奥深さに圧倒されたりの毎日ですが、
自分がおもしろいと感じられる数学をすこしづつ広げ、味わいながら
何かを見つけ、そのおもしろさを伝えられたらと思います。
今年も、都立大学の夏の大学院入学試験が終わりましたが、
受験者たちのアンケートを見て、そのあふれんばかりの
数学への情熱、期待を感じて、責任もひしひし感じるこの頃です。(2003/9/11)
・もうすぐ新学期が始まります。
最近webで見た筑波大学数学系の佐々木建昭先生のHPにある
文章を読み興味深く感じたとともに”大学の先生たるものプロの誇りと努力を
感じさせる講義をせよ!”それこそが大学教育だ、という文章は
当然といえば当然であるべきことではあるが、
我が身に改めて心に刻むべきこととしてしみいる思いがしました。
この3月27日の日本数学会市民講演会の講師として佐々木建昭先生
のお話しがあるようであるが、残念ながら出席できそうにない。
また「数学通信」かなにかでその講演(”数学が何の役に立つのか?
といわれているが。。”という題目)の内容を
読ませていただきたいものです。
新入生に対するメッセージなどもそのHPにはあります、
新入生の人がいたら読んでみてはどうですか?(2004/3/25)
・東京都立大学がこの4月より首都大学東京に衣替えしました。数学科も、数理科学コースとしての再出発です。
数学もごくわずかな部分しか知らない自分にとって、さらに広がりをもった数理科学という枠に身を置くことに戸惑いと期待の入り混じった
感覚を持っています。私自身、この数理科学という広がりの中で自分にできることを
前向きに探っていきたいと思っています。数学そのものの普遍的な意義、根本的役割やなにかを研究したいという根本的動機は変わらないかもしれないが、
幅広い数理科学の分野で果たす役割をより理解し、意識していくことの重要性が増していることも疑いないことであろう。まずは数理科学の果たす役割を学びながら自分なりに
1つ1つ味わいながら、自分にできることからこつこつと、optimisticに始めたいと思う今日このごろです。
希望に胸を膨らませて入学してくる新入生たちに(現在いる在学生たちにも)、数理科学コースでの学びの過程で、数理的思考を伝達・共有しながら、充実した時間と達成感を
味わってもらうよう努力したい。数理科学コースに入学してくる学生、あるいは数学を学びたいと思う人は、「わかった!」という瞬間を体験して好きになった人、あるいはもっと体験したい、という人たちであると思う。
そうした瞬間すっと世界が広がったような感覚を味わうわけで、その瞬間がうれしくてたまらない、そうすると、もっと学びたくなってくるわけである。それは純粋な喜びなわけで、これが何の役に立つとかいうことで
感動しているわけでもない。もちろん、こんな数学がこんなことに応用されて威力を発揮するのか!と驚いたり、関心したりすることも多いことも確かである。感動の種類が違うといってもいいのかも。
なんというか、数学の持つ普遍的でクールな舞台(基礎理論といいますか)での驚き、感動の類と、数理科学という広い枠の中でのいわば応用・実用的なこととの相互作用で起こる
驚き、感動のたぐいとがあるような気がします。
どっちも味わえたら、最高なわけです。実際には、2つの側面を行ったりきたりとか、最初から融合した視点で行われているのでしょうが。。
数学の理解自体、「わかった!」と思うときは、感覚的理解と論理的理解の2つの側面が適度にまざっているわけです。
どちらかが、極端に欠けていると、なんとなくわかった気がしないものです。(2005/4/8)