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下村研究室の研究内容

ACTIVITIES

現代社会において高度な大量生産技術が確立されたことにより、既に人工物は量的な飽和状態にあると言っても過言ではありません。同時に、大量消費と大量廃棄を前提とする産業構造が結果として地球規模の深刻な問題を引き起こしてしまった事実は広く知られるところであり、今後は適量に生産し、可能な限り廃棄しない社会へと確実に移行する必要があります。

では単純に人工物の生産量を減らせばよいのでしょうか? これでは従来培ってきた進歩に対する単なる逆行に過ぎません。その方法では、成熟した現代の経済レベルを維持することも困難です。この矛盾から脱却するためには、環境負荷に代表される「社会にとって好まざること」を抑止しつつ、人工物による量的な充足に替わる質的な充足を求めることが必要です。この実現には、「脱物質化」と「製品ライフサイクルの閉ループ化」の二者が重要であると言われています。

脱物質化とは、人工物を「サービス」を供給するためのチャネル(道具・装置・デバイス)であると考え、価値の対象をモノからサービスへと移行させることを意味します。また製品ライフサイクルの閉ループ化とは、従来からも取り組まれているリサイクルだけでなく、積極的なリユース、リマニュファクチャリング等を通じて新たな高付加価値を創造する製造業のライフサイクル産業化を意味します。

 
イノベーションのアクションプラン

 
価値創造の方法

上記の内容を総括的かつ工学的に議論することを目的とするサービスエ学は、人工物をサービスのチャネルとして捉え、受給者にとって高い価値を提供可能なサービスを開発するための工学であると定義されていますが、これと同時に、ライフサイクル産業の生産性を向上させるための具体的な手法を与えるというもう一つの側面においても期待されています。例えば、自己修復技術は機械自身に自律性の高い故障修復能力を付与するという新しい自動化保全の手法の一つですが、サービス工学的における新しい技術・経済戦略を具体的に実現するための一つの要素技術として位置付けられています。また、アップグレード設計の方法論は、製品の長寿命化に関して、特にその機能的寿命を製品への機能的なアップグレーダビリティの付与によって延長するための設計方法論を与えるものであり、製品ライフサイクルの閉ループ化を設計とオペレーションの段階で促進するための実践的手法であると考えられます。以上のようにサービス工学が今後の社会の持続可能化と非常に密接な関係を持つことは明らかであり、我々は本分野における世界の先駆者として、その研究を精力的に進めています。

このサービス工学という新たな研究分野を実学として体系化し、産業界にとって有用な方法論を構築するためには、産学連携による研究活動が必要不可欠です。そこで、当研究室では、「サービス工学研究会(Service Engineering Forum)」という産学連携プラットフォームを運営しています。当研究会は、現代社会におけるサービスの在り方と、その設計方法を調査・研究するための産学連携研究組織として2002年2月に設立しました。サービス工学研究会では、サービス成功事例の解析、新規サービスの創出、既存サービスの改善、そしてそれぞれの活動を支援するツールの継続的な開発を、会員企業・研究機関と当研究室の共同のもとで精力的に推進しています。

   
 
   
LAST UPDATED: 2022/08/15 (C) SHIMOMURA LABORATORY