首都大学東京は今年で開学8年目の新しい大学ですが,理工学系数理科学コースには,その前身となる東京都立大学理学部数学科の伝統が脈打っています.
このオープンクラス「高校生のための数学-夏の学校」も,東京都立大学理学部のオープンクラスの伝統を引き継いで開催されるもので,今回で17回目となります.
さて,みなさんは,小学校の算数から始めて,中学校,高等学校と数学を学んでゆくと,「これ以上,数学で勉強することは残っているのだろうか」と感じた事はありませんか?
また,この20年間の間に「フェルマーの定理」や「ポアンカレ予想」と呼ばれる大問題が解決されましたが,こうしたニュースに触れると,数学の研究で残っているものはあるんだろうかと思ったことはありませんか? 実は「勉強することや研究すること」はたくさんあります.数学は,人類の歴史の中で最も古い学問の一つでありながら,今なお,活発に研究が行われている学問なのです.近年では様々な科学の基盤として役割を果たしている一方で、諸科学との研究交流を通して,新たな問題を取り入れて発展しています.ただ,残念ながら,普通の高校の授業では,こうした話題に出会う機会は極めて少ないと思います.
第一線で活躍する数学者の講義を通して,大学で学ぶ数学,情報・応用数理科学という高校数学の先の世界を覗いてみませんか?
(夏の学校 構成委員会 神島芳宣,酒井高司,澤野嘉宏,川崎健 )
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