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平成20年度 数理情報科学専攻・数学専攻 集中講義 予定

Last update 2009-02-03


−−終 了−−

** 松野 一夫 (津田塾大学 ) **
授 業 科 目 名 基盤数理科学1 (R769),基盤数理科学特論1 (R770)、代数学特論I (3715,Q689)
タイトル 種数1の曲線の数論
時 期 1/22,2/3
当専攻での連絡係 津村
簡単な内容 楕円曲線とは定義体上に有理点を1つ以上持つ種数1の非特異曲線のことであるが、定義体が代数閉体でない場合には有理点を全く持たない種数1の曲線もある。 また、有理点を持っても持たなくても、問題に応じて曲線のモデルを替えて考えた方が良い場合もある。 そういったことの一端を、代数体上の曲線の場合を中心にお話ししたい。


** 穴井 宏和 (富士通研究所 ) **
授 業 科 目 名 情報数理科学2 (R725),情報数理科学特論2 (R756)、解析学特論II (3704,Q711)
タイトル 数式処理の理論とその応用
時 期 1/14,20,26,2/2
当専攻での連絡係 村上
簡単な内容  最近、科学技術計算技法の一つである計算機代数、いわゆる、数式処理の手法が理工学や産業上のいろいろな問題に対して用いられるようになってきた。 本講義では、まず数式処理の基礎について概説し、制約・最適化問題の代数的な解法である限量子消去(quantifier elimination:QE)やグレブナ基底(Groebner basis)の理論について解説する。また、限量子消去やグレブナ基底を活用することで可能となる記号最適化or パラメトリック最適化手法の有効性について、理工学や産業界における具体的な応用例を取り上げながら紹介する。 さらに、その計算高速化向けた、計算技術自体の効率化のための方策として数値計算と記号・代数計算を巧く組み合わせて計算する数値・数式ハイブリッド計算についても説明する。

** 服部 哲弥 (東北大学 ) **
授 業 科 目 名 情報数理科学1 (R777),情報数理科学特論1 (R778)、解析学特論I (3717,Q691)
タイトル 確率的ランキング過程とBurgers型偏微分方程式
時 期 1/16,23
当専攻での連絡係 服部
簡単な内容 確率的ランキング過程 (stochastic ranking process) の定義と 無限粒子極限の存在定理を概説し, 極限時空分布が,蒸発項を持つBurgers型偏微分方程式系 の一意解であることを示す. このモデルのwebにおける応用にも触れる. 講義ノートは http://www.math.tohoku.ac.jp/~hattori/amazonk.htm を参照.

** 梶原 健 (横浜国立大学 ) **
授 業 科 目 名 基盤数理科学1 (R837),基盤数理科学特論1 (R838)、代数学特論I (3744,Q715)
タイトル グレブナー基底と応用
時 期 1/16,23
当専攻での連絡係 徳永
簡単な内容

 


** 藤田 育嗣 (日本大学 ) **
授 業 科 目 名 基盤数理科学1 (R765),基盤数理科学特論1 (R766)、代数学特論I (33713,Q687)
タイトル 不定方程式論入門
時 期 1/20,21
当専攻での連絡係 津村
簡単な内容

相異なる m 個の正整数の組 {a_1,...,a_m} は ``a_ia_j+1=平方数''(i<j) を満たすとき Diophantus の m 組と呼ばれます.Diophantus の 5 組は存在しないという予想(未解決)があり,その解決にはある同時 Pell 方程式が``自明な解''しかもたないことを示す必要があります.本講義では,Pell 方程式の一般論を概説した後,同時 Pell 方程式を解く方法について解説します.


** 古谷 賢朗 (東京理科大学 ) **
授 業 科 目 名 情報数理科学1 (R825),情報数理科学特論1 (R826)、解析学特論I (3743,Q714)
タイトル Sub-Riemannian Manifolds and Analysis of Sub-Laplacian
時 期 1/19,20
当専攻での連絡係 高井
簡単な内容 すべての多様体はRiemann多様体となるが、必ずしもsub-Riemann構造を持つとは限 らない。接触構造はsub-Riemann構造の代表例であるが、その構造だけでは多様体上の解析現象が表には現れない。大域的研究、特に解析現象研究の対象になりうるsub-Riemann構造の一つとしては、存在するnon-holonomic subbundleが位相的に最も扱いやすい構造をしている場合である(=trivializable)。このときLaplacianの対応物としてsub-Laplacianと呼ばれる2階準楕円型作用素が存在する。この構造を持つ多様体の代表的な例はべキ零Lie群であるが、2-stepまでと3-step以上では解析的には全く異なる特殊
関数(2-stepはHermite関数、3-stepは楕円関数)に支配されている。
Sub-Riemann構造に関連する解析は、楕円型作用素の理論とは異なる様相も豊富にあり、より複雑であり、興味深い分野である。
本講義ではsub-Riemann幾何と解析について以下の内容を解説する。
(1)Sub-Riemann構造を持つ多様体、特に3次元と7次元球面のsub-Riemann構造。
(2)SubmersionとGrushin type作用素。
(3)2-stepべき零Lie群上のsub-Laplacianの熱核の、complex Hamilton-Jacobi methodによる構成。特にHeisenberg群とそのGrushin Operatorについて詳しく解説し、この場合sub-Riemannの意味での測地線とisoperimetric problemとの関連も解説し、sub-Riemann幾何と解析のいくつかの間題を説明したい。

**岸本 崇 (埼玉大学 ) **
授 業 科 目 名 基盤数理科学特別講義 (R700),基盤数理科学特論2 (R705)、代数学学特論II (3669,Q650)
タイトル 双有理幾何学のアフィン代数幾何学への応用
時 期 1/ 8,1/13〜1/15
当専攻での連絡係 黒田
簡単な内容 アフィン代数幾何学は多項式環に関する諸問題を幾何学的に考察する分野であると言える。アフィン代数多様体をそのまま取り扱うことは具体的に例を構成する際などには有効であるが,非線形な対象であるために一般的には困難が伴う。その一方で,射影多様体を取り扱うための双有理幾何学的手法は極小モデル理論から端を発して現在までに高度な発展を遂げてきている。
  本講義では主に以下の事柄について解説をする予定である:
(1) アフィン代数多様体(主に3次元の場合)の構造をコンパクト化を経由して双有理幾何学の視点から考察する手法を模索する。
(2) 適当な射影空間の中のdel Pezzo曲面を考えて,それ上のアフィン錘をとる。どういったアフィン錘上に加法群$C_+$の作用が存在するのかという問題を双有理幾何学的に考察する。

**長谷川 敬三 (新潟大学 ) **
授 業 科 目 名 広域数理科学特別講義 (R701),広域数理科学特論2 (R750)、幾何学学特論II (3701,Q679)
タイトル コンパクト等質多様体上のケーラー構造について
時 期 1/5〜1/8
当専攻での連絡係 神島
簡単な内容

複素幾何学の基本的な事柄、Hodge理論の基礎、有理ホモトピー理論、コンパクト可解多様体の基本的な性質、ケーラー群、可解多様体上のケーラー構造、展望 (conjecture 等).


** 隈部 正博 (放送大学 ) **
授 業 科 目 名 情報数理科学1 (R823),情報数理科学特論1 (R824)、解析学特論I (3742,Q713)
タイトル オートマトンと計算論
時 期 12/17,12/18
当専攻での連絡係 鈴木
簡単な内容

オートマトンは,たとえば自動販売機のように,記憶能力をあまりもたない計算機システムの数学モデルである。この授業では非決定性オートマトンと正規言語の関係など,学部授業「計算の数理I」の一歩先の話題について初心者向けに紹介する。


** 澤野 嘉宏 (学習院大学 ) **
授 業 科 目 名 情報数理科学1 (R821),情報数理科学特論1 (R822)、解析学特論I (3741,Q712)
タイトル Carlesonの定理の証明
時 期 12/8、12/10
当専攻での連絡係 岡田
簡単な内容  

** 本間 泰史(早稲田大学)**
授 業 科 目 名 広域数理科学2 (R723),広域数理科学特論2 (R724)、幾何学特論II (3682,Q663)
タイトル スピン幾何学入門
時 期 12/ 2 〜12/5
当専攻での連絡係 今井
簡単な内容

スピン構造をもつリーマン多様体をスピン多様体という.スピン幾何学とは,スピン多様体上でスピノールやディラック作用素を用いながら,多様体の性質を調べたり,解析学を行う分野である.講義では,基礎的なことから始め,指数定理などのスピン幾何学を学ぶ上で必要な事柄を解説する.


** 梅尾 博司 (大阪電気通信大学 ) **
授 業 科 目 名 情報数理科学2 (R751),情報数理科学特論2 (R752)、解析学特論II (3671,Q682)
タイトル 並列処理アーキテクチャとそのアルゴリズム
時 期 11/25 〜11/28
当専攻での連絡係 福永
簡単な内容 近年開発される計算機にはさまざまなタイプの並列・分散処理方式が導入され,高速化が図られている.またネットワークで結合された世界中の計算機もひとつの並列計算機とみなせよう.CPUを作る材料もシリコンのみならず,ナノテクノロジー,バイオテクノロジーの進歩とともに,新しいデバイスとしてバクテリア,たんぱく 質など有機的,生物に基づいた計算機などが試作されている.このような計算システムを効率よく設計するためには並列・分散処理が必要不可欠な基盤技術と考えられる.
本講義では,多数の細粒度プロセッサから構成される並列処理アーキテクチャとそのアルゴリズムについて講述する.途中,問題演習や英語論文の輪講・発表(受講者による)などを交えて,講義を進める.テキストとして,「超並列計算機アーキテクチャとそのアルゴリズム」(共立出版)を使用する.最後の講義日にレポートを提出 していただく予定です. 以下の項目について講述する.
1.イントロダクション   ・並列処理とは   ・SIMD vs. MIMD   ・Natural Computing, Unconventional Computing
・計算の複雑さ,再帰プログラムの時間計算量など
2.メッシュアーキテクチャをベースとする 並列処理アーキテクチャとそのアルゴリズム   ・セルラーオートマトン
・シストリックアレイ   ・グローバルバスを備えたMCC   3. 並列アルゴリズムの設計と解析
・Bitonic Sorting Algorithm   ・Odd-even Merge Sorting Algorithmなど
4. ハイパーキューブ,シャッフル結合ネットワークなど
5. PRAMアルゴリズム
6. まとめ

** 斎藤 宣一 (東京大学 ) **
授 業 科 目 名 情報数理科学2 (R775),情報数理科学特論2 (R776)、解析学特論II (3702,Q680)
タイトル 有限要素法と非線形楕円型方程式の解の可視化
時 期 11/25 〜11/28
当専攻での連絡係 倉田
簡単な内容 有限要素法は、その抜群の汎用性の高さから、数ある偏微分方程式の数値解法の中でも、最も強力なものの一つである。 本講義では、まず、線形楕円型方程式を題材に、有限要素法の導入と近似の仕組みについて概説を行う。その後、 FreeFEM++(http://www.freefem.org/ff++/index.htm)を用いて、実際に数値解を構成し可視化する。 最終的な目標は、これらの応用として、様々な形状をした2次元有界領域上で定義された非線形楕円型方程式の解の可視化を体験してもらうことにある。 本講義を通じて、実験的な方法での非線形問題へのアプローチの一つを取得して欲しい。 (なお、FreeFEM++を使うためのコンピュータの知識・技術としては、LaTeXを用いた文書作成ができる程度のものがあれば問題ない)

** 土井 洋 (情報セキュリティ大学院大学 ) **
授 業 科 目 名 情報数理科学特別講義 (R),情報数理科学特論2 (R)、解析学特論II (,Q)
タイトル 暗号理論入門 −ブロードキャスト暗号−
時 期 10/ 3,10,17、24
当専攻での連絡係 内山
簡単な内容 概要
  暗号理論の研究成果である守秘や認証の仕組みは,現代社会の様々な場面で利用されている.これらを利用すると,第三者に内容を知られることなく,互いに情報のやり取りを行うことができるが,これらの仕組みの基礎となる暗号理論には数学が深く関係している.
一方,ブロードキャスト暗号は,送信者一人に対して複数受信者が存在する場合に使われる暗号方式であり,安全なコンテンツの配信などにも用いられる重要な暗号方式である.
本講義では,暗号理論の基礎について解説し,更にその応用例としてブロードキャスト暗号の構成方法を具体的に紹介する.
講義計画
第1,2回(暗号理論の基礎)
  鍵配送,公開鍵暗号,及び電子署名の基本形と,いくつかの拡張方式について解説する.また,これらを実現するために必要な数論問題についても解説する.
第3,4回(暗号理論の応用)
  第1,2回目の講義を基に,ブロードキャスト暗号について,いくつかの具体的な構成方法を紹介する.

** 藤井 道彦 (京都大学 ) **
授 業 科 目 名 広域数理科学2 (R714),広域数理科学特論2 (R706)、幾何学特論II (3670,Q651)
タイトル 離散群のオートマティック構造と増大関数
時 期 10/ 6 〜10/ 9
当専攻での連絡係 相馬、神島
簡単な内容

双曲群などの幾何学的に重要な離散群について、具体的な(測地的)オートマティック構造の構成と増大関数についての結果および予想を紹介する。



**足立 匡義 (神戸大学) **
授 業 科 目 名 基盤数理科学2 (R737),基盤数理科学特論2 (R738)、代数学特論II (3691,Q669)
タイトル

量子力学系に対する散乱理論

時 期 9/ 9 〜 9/12
当専攻での連絡係 吉冨、下村
簡単な内容

非相対論的量子力学系の運動を司るシュレーディンガー作用素に対するスペクトル・散乱理論の一端を、2体系を例にとって紹介する。シュレーディンガー方程式の解の漸近的な性質を考察し、短距離型ポテンシャルによる散乱に関して、波動作用素の漸近完全性を証明することを目標にする。


**島田 勉 (小山工業高等専門学校) **
授 業 科 目 名 基盤数理科学2 (R763),基盤数理科学特論2 (R764)、代数学特論II (3712,Q686)
タイトル 有限次代数体の単数の諸性質(大域的側面と局所的側面)
時 期 9/ 8 〜 9/11
当専攻での連絡係 津村
簡単な内容 単数の持つ種々の性質をKummerの補題、Denesの公式、Leopoldt予想等に関連する側面を中心に解説したい。