ミラーシンメトリー

素粒子物理学と幾何学の融合分野の現象の一つ。
一つのN=2超共形場理論が二通りの方法で Calabi-Yau多様体上の 位相的場の理論(A模型とB模型)として実現される時に、 それらの多様体のコホモロジーに現れる同一視のこと。

3次元では、オイラー数の符号がちょうど逆転した多様体が対をなす。 A模型では量子コホモロジー環、B模型ではHodge構造の変形によって 定義される独特の積構造が入り、この積構造をこめて同一視されることから、 Calabi-Yau多様体に含まれる有理曲線の次数毎の本数 という計算の難しい微妙な数を、他のCalabi-Yau多様体の周期を用いて計算できる、 という予想を含む。

トーリックFano多様体の完全交叉になるCalabi-Yau多様体に対しては、 反射的凸体の双対を用いた定式化が提案されており [Batyrev-Borisov]、 この場合には様々な現象が肯定的に確認されている。

現在ではさらに精密に、II型の超弦理論に対する双対性が期待されている (量子ミラー対称性)。


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