量子ミラー対称性

10次元のII型の超弦模型をCalabi-Yau多様体 の上でコンパクト化するときの任意性から生じる弦双対性があるとする予想。 奇数次元の時はIIA型とIIB型、偶数次元の時は同じ型の超弦の対称性として あらわれる。

ミラーシンメトリー予想を含むが、 超共形場理論の同一視にとどまらず、超弦理論全体が同等であると予想する。 特に、BPS飽和D-brane、すなわち、SUSYサイクルとその上のU(1)束の対が 注目されている。 BPS飽和D-braneの電荷(ホモロジー類)を決めた時、 質量(体積)最小になるある種の多様体とその上のU(1)束のモデュライが、 互いにミラーシンメトリーで対応するものどうし、 計量同型になるという予想を認めると、 ミラーで対をなす多様体を一意的に決定し、 さらにそれらのある実部分多様体の間に双対関係を定める。
0-braneと3-braneの双対から、 ミラーで対をなす3次元Calabi-Yau多様体では、 共通の実3次元多様体の上の双対3-torus fibrationの構造を持つことが 予言されている[Strominger-Yau-Zaslow]。
また、2-braneと3-braneの双対から、 質量のないブラックホールの理論では、通常2重点につぶれる消滅3輪体と、 小さい特異点解消の例外射影曲線の双対性が示唆されている[Strominger, Greene-Morrison-Strominger]。


参考文献
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