平成28年度前期 離散数学入門c

時間割:火曜3限
教室:1−101
試験は教室変更することがあるので注意すること.

授業方針・テーマ

 電車の乗換えを調べると,いくつもの道のりの中から最適なルートが瞬時に選び出されて表示される.ネット検索では,キーワードを入れると,膨大な数のページから関連が深そうなURLが瞬時に表示される.このように現代では,有限とはいえ巨大なデータを効率的に取り扱う情報処理技術が必要になっている.プログラミングで必須の基礎知識であるのみならず,統計物理,分子構造の決定等でも,状態が何通りあるかの数え上げが必要なことがある.グラフによる表現も有用であり,交通ネットワークや状態遷移図はその一例である.
 この授業では,有限集合を対象とした数学について,予備知識をほとんど仮定せず講義する.

習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標

 有限の対象に関する様々な問題に対し,論理的に扱い効率的に解くための,数学的知識と計算能力の基礎を身につけることができる.具体的には,次を学ぶことを目的とする.
(1) 論理演算など有限代数系の初歩的取り扱い
(2) 起こりうる場合を漏れなく列挙して数え上げる技術
(3) 関係をグラフ化して調べたり,行列を用いて計算すること

授業計画・内容

第1回〜第3回  基礎となる言葉(論理,集合と写像)
第4回〜第5回  比較・区別の数理(順序,同値関係)
第6回〜第7回  数え上げの技法(包除原理,帰納法)
第8回      試験・解説
第9回〜第11回  グラフの基礎(行列との対応,経路,木)
第12回〜第14回 グラフの応用(マッチング,彩色,ネットワーク)
第15回     試験・解説

教科書

テキスト:『情報系のための数学-1 離散数学入門』,守屋悦郎,サイエンス社,ISBN4-7819-1131-5 (2006年) 参考書:『やさしく学べる離散数学』石村園子,共立出版 必要に応じてプリントを配布する.

成績評価方法

期末試験60%,中間試験・授業参加度・レポート等40%

特記事項


LABO研究室へ戻る