平成28年度後期 幾何学特別講義II・広域数理科学概論(2)
時間割:水曜2限
教室:11−101
授業方針・テーマ
リーマン面およびトロピカル曲線について講義する.
リーマン面は数学・物理の様々な分野で登場する基本的な対象である.
近年のトロピカル化により,交点数など重要な不変量が組合せ的に求めら
れる例が見いだされている.この講義では,複素多様体としてリーマン面
を導入し,空間と関数の双対性を用いてトロピカル曲線を自然な幾何的対
象として扱う.
習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
前半は,リーマン面の速成コースである.最も基本的なリーマン面である.
射影直線と楕円曲線について重要事項を解説した後,層係数コホモロジーと
因子を導入してRimann-Rochの定理を示す.自己同型群について解説すること
が目標である.
後半は,トロピカル曲線の基本事項を解説する.局所的には基本定理と釣合
条件,大域的にはZアフィン構造について扱う予定である.
授業計画・内容
第1回〜第2回 リーマン面
第3回〜第5回 層とコホモロジー
第6回〜第8回 Riemann-Rochの定理とその応用
第9回〜第11回 関数と空間の双対性
第12回〜第15回 トロピカル曲線
テキスト・教科書等
参考書:
リーマン面と代数曲線,共立講座 数学の輝き2,今野一宏,共立出版,2015.
その他,講義時間中に指示する.
成績評価方法
授業参加度・レポート100%
特記事項
函数論(解析入門II),多様体論,環と加群(幾何学A,代数学B)の基礎的内容を用いる.
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