平成23年度前期 幾何学A

時間割:水曜2限
教室:11−101
答案は研究室でお返しします.
レポート問題等(授業で配ったプリントの訂正補足あり)
教育実習のため第8回演習に出席できなかった人は,その演習問題を解き,6月29日の授業までに提出すること.

授業方針・テーマ

多様体の基礎について講義する.多様体は,幾何学で研究対象とする図形のうち,もっとも基本的なものの一つである.大まかにいうと,局所的にユークリッド空間で近似できる図形であり,球面など多くの基本的かつ重要な図形が含まれる.これまで1,2年で学んできた線形代数と解析を用いて,滑らかな多様体(可微分多様体)について解説する.

習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標

多様体論の基礎事項を習得することができる.具体的には以下について学ぶ. (1) 多様体の定義と例 (2) 可微分写像の局所的性質 (3) リーマン計量の存在 (4) ベクトル場

授業計画・内容

第1回		授業の目的と概要
第2回〜第4回	多様体,可微分写像
第5回〜第7回	接ベクトル,可微分写像の微分
第8回		まとめ・演習
第9回〜第11回	可微分写像の局所的性質,正則点と臨界点
第12回		1の分割・リーマン計量の存在
第13回〜第14回	ベクトル場
第15回		試験・解説
4/13  1. 授業の目的と概要,幾何学の歴史,球面の座標,位相多様体
4/20  2. 多様体の定義(§6)
4/27  3. 可微分写像,微分同相(§7)
5/11  4. 接ベクトル(§8)
5/18  5. 可微分写像の微分(§9)
5/25  6. 逆関数定理(§10)
6/ 1  7. 逆関数定理の続き
6/ 8  8. 演習
6/15  9. はめ込み・埋め込み・部分多様体(§12)
6/22 10. 正則点と臨界点,沈め込み(§15)
6/29 11. 演習の解説,射影空間(§11)
7/ 6 12. 1の分割(§14)
7/13 13. ベクトル場(§16)
7/20 14. ベクトル場,リーマン計量の存在
7/27 15. 試験・解説

教科書

テキスト: 「多様体の基礎」松本幸夫著 東京大学出版会 参考書: 「多様体入門」松島与三著 裳華房 「多様体入門」坪井俊著 東京大学出版会 必要に応じてプリントを配布する.

成績評価方法

期末試験60%,授業参加度・レポート40%

特記事項

数理科学コースでは必修科目と同様重要であるから履修することが望ましい. 必要となる基礎科目「微分積分」「線形代数」「位相空間論」の内容は既知とする. 陰関数定理・逆関数定理等を復習しておくこと.
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