平成22年度前期 幾何学A
時間割:水曜2限
教室:11−101
授業方針・テーマ
多様体の基礎について講義する.多様体は,幾何学で研究対象とする図形のうち,もっとも基本的なものの一つである.大まかにいうと,局所的にユークリッド空間で近似できる図形であり,球面など多くの基本的かつ重要な図形が含まれる.これまで1,2年で学んできた線形代数と解析を用いて,滑らかな多様体(可微分多様体)について解説する.
習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
多様体論の基礎事項を習得することができる.具体的には以下について学ぶ.
(1) 多様体の定義と例
(2) 可微分写像の局所的性質
(3) リーマン計量の存在
(4) ベクトル場
授業計画・内容
第1回 授業の目的と概要
第2回〜第4回 多様体,可微分写像
第5回〜第7回 接ベクトル,可微分写像の微分
第8回 まとめ・演習
第9回〜第11回 可微分写像の局所的性質,正則点と臨界点
第12回 1の分割・リーマン計量の存在
第13回〜第14回 ベクトル場
第15回 試験・解説
4/14 1. 授業の目的と概要,幾何学の歴史,球面のパラメータ表示
4/21 2. 多様体の定義
4/28 3. 可微分写像
レポート問題を2問出題
5/12 4. 微分同相
5/19 5. 接ベクトル
5/26 6. 可微分写像の微分
6/ 2 7. 逆関数定理
6/ 9 8. 演習
6/16 9. 逆関数定理の続き
6/23 10. はめ込み・埋め込み・部分多様体
6/30 11. 部分多様体の続き,正則点と臨界点,演習の解説
7/ 7 12. 沈め込み,1の分割
7/14 13. リーマン計量の存在,射影空間
7/21 14. ベクトル場
7/28 15. 試験・解説(教室は12-201)
教科書
テキスト:
「多様体の基礎」松本幸夫著 東京大学出版会
参考書:
「多様体入門」松島与三著 裳華房
「多様体入門」坪井俊著 東京大学出版会
必要に応じてプリントを配布する.
成績評価方法
期末試験60%,授業参加度・レポート40%
特記事項
数理科学コースでは必修科目と同様重要であるから履修することが望ましい.
必要となる基礎科目「微分積分」「線形代数」「位相空間論」の内容は既知とする.
陰関数定理・逆関数定理等を復習しておくこと.
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