第10回 2005年6月22日 Microsoft Excelを使った表計算 III(数値計算・関数まとめ)
- 数式・関数処理
- 数式関数処理練習1(基本統計関数)
- 数式関数処理練習2(条件判断・IF・相対参照・絶対参照)
- 数式関数処理課題
- グラフ作成課題
数式・関数処理
なおエクセルでは数式はセル内が数値でなくても、テキスト、日付などでも処理の対象になれることにまず注意してください。
- 数式・関数処理はまずセルの先頭が(半角の)=で始まる。例えば以下のような計算を考えてください。そしてE1がなぜ34になるか
考えてください。ここ*は×(掛ける=乗算)を意味します。×の記号がないための当て字です。
- 演算子には以下のようなものがあります。
- +:加算、
- −:減算、
- *:乗算、
- /:除算、
- ^:べき乗、
- %:パーセント 例えばa3に3、a4に5.7とあるときa5に=a3/a4と
すると0.526316ですが、=a3/a4%とすると表示は52.63158となります。
計算の優先順位は通常のそれに従います。()も使える。カッコ内の優先順位も通常通り。しかし[{(…)}]の区別はない。
すべて()を使います。
=(a2+(a4+(1+a1)*a3+a6)+a7
- テキスト計算
文字と文字の連結&
A2に太郎、A3に弘子があったとします。
B3を選んで=A2 & "と" & A3とするとB3には「太郎と弘子」となります。 ここで"は半角です。""で文字列をくくります。
| → |
|
- 関係演算子 2つの演算数の関係を表わします。結果はTRUE(真)かFALSE(偽)で表示されます。
- = :等しい、
- > :大なり、
- >= :以上、
- < :小なり、
- <= :以下、
- <> :不等号
たとえばA1に10,B1に20があったとします。C1を選び=A1 > B1、あるいは=A1 <> B1と入力しましょう。
すると結果は以下のようです。
- 関数:y=f(x)
ソフトウェアの世界で関数というと入力パラメータ(引数ともいう、例えばx、これは複数でもよい)
が関数f内でデータ処理され計算結果(戻り値)yが返される(戻ってくる)
というイメージで捉えます。引数のあたえ方と関数の仕様がわかればその中の計算機構はブラックボックスとして(とりあえず)
かまいません。
上例はa1からa10までの区間(a1:a10で表現)の和(sum)をとる関数SUMの利用例。以下の計算でも同じ結果となる。
- 関数の書式は
=関数(引数1、引数2、…、引数n)
- よく使うもの、知っていればとても便利なもの、数学、論理、表操作など関数は非常に多岐にわたります。メニュー挿入→関数...で以下のような
一覧表がでます。選択した関数のヘルプ(使い方)も表示されるので参考にするといいでしょう。ただしこのヘルプの日本語が
理解できるかどうかは別として。
数式関数処理1(基本統計関数)
- まず以下のような表を作成しよう。罫線はとりあえず無視して結構。
- 売り上げ金額は各ソフトの3ヶ月の合計です。=金額*SUM(…)とします。あとはオートフィル機能を利用。
- 合計は=SUM(…)、平均はAVERAGE(…)、最高、最低は=MAX(…)、=MIN(…)を使います。
数式関数処理2(条件判断・IF・相対参照・絶対参照)
- 関数IF(イフ)
論理式の成立(真)・不成立(偽)によって処理を変えたい場合関数IFを使います。この関数は引値として論理式、真の
場合のデータ、偽の場合のデータをとります。
=if(論理式、真の場合のデータ、偽の場合のデータ)
論理式が成り立てば2番目の引数のデータ、成り立たなければ3番目の引数に指定されたデータを戻り値としてそのセルに返します。
例をあげてみましょう。
- もしA1>B1であればA1-B1をそうでなければB1を当該セルのデータとせよ、と解釈します。
- 文字列表示の場合は"(半角)でメッセージをはさみます。空白は""とする。
- 80点以上はA、80点未満かつ(and)50点以上はB、50点未満はCという分類は以下のように書けます。
- それでは以下の表を完成させましょう。関数IF以外にRANKというものも使用します。
- 平均は関数AVERAGEを使い各自の3教科の平均点を計算します。
- 順位は関数RANKを使います。形式は=RANK(数値、範囲、順序)。数値は各自の平均点e列3から10、範囲は順序を決めるべきデータの範囲(e3:e10)、
順序は0指定で降順、1指定で昇順となります。範囲は「絶対参照」で指定するので$e$3:$e$10としてください。「相対参照」「絶対参照は」は以下の注)を
参照。なぜ絶対参照にしなければならないか考えてください。
- 合否は40点以上でメッセージ「合格」、40点未満は「不合格」と表示させます。
注)セル参照
- 相対参照:
- 現行セルからの相対位置で対象セルをきめる; 現行セルB2に=C4*100とします。
これはB2から一つ右、2つ下のセルの値を100倍することです。
この式をコピー、ペーストでE3に入れると式は=F5*100となります。
E3から一つ右、2つ下のセルはF5だからです。
- 絶対参照:
- この形式ではどこにいってもたとえばC4を参照したいとき設定します;
現行セルで=$C$4*100とすると固定のセルアドレスC4が参照されます。$C4は列のみ固定、C$4は行のみ固定
数式関数処理課題
以下の表を完成させてください。
- 可否の列、積雪量が100cm以上のスキー場は○、100ccm未満50cm以上は△、50cm未満は×を表示
- D14は可否列○(積雪100cm以上)の数を数える。関数COUNTIFの使い方を調べ適用する。
- D15は同じく×(積雪50cm未満)の数を数える。
- D16は関数SUMIF、COUNTIFを使う。使い方を調べ適用し、平均値を計算する。
グラフ作成課題
以下の表は2003年1月8日の朝日新聞に掲載された同社のアンケート調査のデータである。
記事のタイトルは「四半世紀の日本人」。
このデータを読んで以下のような条件のグラフを作ってください。なお数字の単位はパーセント
。各項目「その他・答えない」のデータは省略した。
- 各項目(天気予報、新聞、教師など)の25年間での「信用している」から「信用していない」までの
データの変化が的確に理解できるものであること。
- さらに「信用している」から「信用していない」までの
回答に対しできればどちらかというと肯定的な意見と否定的な意見の変化も同時に読み取れるようなもの。
- グラフは(一般の)新聞に掲載されることを目的とする。
- グラフを作るにあたってデータを改ざんするのはだめだが最適なグラフ作りのため上の表にとらわれず
独自の表を作ることは
OK。またデータの絶対値は変えなくてもその値を負(マイナス)にするのもよい(肯定意見を正、否定意見を負にし項目軸に対し
お互い逆向きの方向のヒストグラムを作るのも有効かもしれない)。
質問、あるいはあやまりなど見つけたら編集者まで
Special thanks to Prof. Fukunaga