第9回 2005年6月15日 Microsoft Excelを使った表計算 II(データの視覚化)

基本グラフの作成

Excelの高機能性、便利さを前回の授業で学んだことと思います。今回は表にあるデータから さまざまなグラフを作成することを学びます

度数分布表(ヒストグラム)(縦棒・横棒)

基本グラフの作成方法を一通り見ましょう。以下のような表を作り図を作成することにします。

  1. グラフ化したいデータの選択

    タイトル行もグラフタイトルとして取り入れてくれる場合もあるが 実質データ部はA2からB14までなので(A2、B2は凡例として利用される)、その部分のみの選択をする。A1部を わざわざ取り入込むとかえってグラフ表示がおかしくなる場合もある。

  2. グラフウィザードの起動
  3. ウィザードNo.1

    ここではグラフの種類(縦棒)、形式(左上のパターン)を選択、 場合によっては「サンプルを表示」ボタンをクリックして試しチェックを行う。

  4. ウィザードNo.2

    グラフの元となるデータの確認

    データの範囲がsheet1のA1からB14であること(ここで$記号は無視する)、 系列は列単位で項目、データが区分けされていることを意味している。


    項目軸ラベル、値のデータ範囲を確認(ここも$記号は無視する)。

  5. ウィザードNo.3

    タイトルと軸ラベルを必要とあれば修整、付加する。

    凡例が必要なければ凡例表示チェックをはずす。

  6. ウィザードNo.4

    グラフの表示場所を指定。グラフをオブジェクトとしてデータのあるワークシートに置くかか独立したワークシート(Graph1) に独立させるか選択。ここはオブジェクトとしておこう。そして「完了」をクリック。

  7. 以上でグラフの基本部分が完成された。

  8. さらに加工(カスタマイズ)を続けよう。

    (どこでもいいので)x軸(項目軸)にポインターを近づけよう。

    右ボタンクリックしショートカットメニューを表示させて軸の書式設定をクリック。

  9. 項目軸の文字配置、文字フォント、サイズを必要とあれば変更しよう。

  10. 必要とあればy軸についても形式を変更しよう。

    (どこでもいいので)y軸(数値軸)にポインタを近づけよう。

    そして軸の書式設定のショートカットから目盛タブを選択。ここをカスタマイズしよう。以下のような設定はどうだろうか。

    また数値軸ラベル(Y軸のラベル、今は「人口百万人」となっている)を選び、右クリックで軸ラベルの書式設定...→配置 でやはり縦書きモードにしておく。

    ここまででグラフは以下のように改造された。

  11. さらに凝った改造もできる。ちょっと紹介しよう。まずデータ系列の書式設定。

    再びどこでもいいので棒グラフのバーをクリックする。するとすべての棒が選択されるので右ボタンクリック。データ系列の書式設定を 選択しよう。

    以下のようなパターンタブからバーの色、パターン(塗りつぶし効果)を選んでみよう。

    ここまでで以下のような具合である。

  12. プロットエリアの書式設定

    グレーの背景色のところをプロットエリアと呼ぶ。ここにポインターを置きクリックして選択。右ボタンクリックでポップアップメニューを 出そう。そして書式設定→パターンから色、塗りつぶし効果を選ぼう。

  13. 出来上がりは以下のようである。

  14. グラフの消去

    グラフ全体をクリックして選ぶ。周囲にハンドルがつくことを確認。そしてDeleteキーを押すか あるいは右ボタンクリックしてポップアップメニューからクリアを選択。

  15. オブジェクトとして、あるいはデータシートとして作成されたグラフはファイルの保存と共に 自動的に保存の対象となります。またオブジェクトとして保存しておけばあとでWordで図の貼り付けにより Wordに組み込むことが可能となります。これは後述します。

折れ線

円グラフ

レーダーグラフ

散布図および第2数値軸

散布図は2次元のデータ相関図をとるのに利用されるばかりでなく折れ線グラフ作成にも利用されます。以下のようなデータ を見てください。この実験データから気圧、体積の時間変化を折れ線グラフでプロットしたいと考えます。しかし測定時間間隔 が一定ではないので単純な折れ線グラフではうまく横軸のデータを表せません。しかし不定期的に測定した気圧、体積の値を 折れ線でプロットしなければならないことも間々あります。このときは散布図を使うことになります。

  1. グラフ作成ウィザードを起動。最初のウィザードでグラフの種類は散布図、形式は線付き散布図にする。

  2. グラフタイトル、x軸、y軸のタイトル設定

  3. 以後特別なこともせずウィザードを完了する。ここまでで グラフの出来上がりは以下のようである。

  4. 体積データ系列(マゼンタ色)のライン、どこでもいいのでクリックして選択、右ボタンを クリックでデータ系列の書式設定を選ぶ。
  5. データ系列の書式設定→軸タブ、使用する軸を第2軸とする。そしてOKでここはひとまず終える。

  6. たとえばプロットエリアをクリックして選択、右ボタンクリックでポップアップメニューを出しグラフのオプション...を 選び、タイトルとラベルタブのY/第2数値軸に「体積(ml)」を入れる。

  7. ここまでの出来上がりは以下のよう。

  8. 凡例の四角部分をドラッグしてスペースの無駄にならないところに移動させる。

  9. 最終的に縦横比、大きさなどを調整して以下のように完成させる。

複合グラフの作成

表の完成

まず以下のような表を作成しよう。罫線も入れて。

  1. 高卒率(%)は高校卒業者/18歳人口となる。
  2. したがって1963年度の場合d3は=c3/b3%であたえられる。
  3. この式をオートフィル操作でd4からd11までに適用させる。
  4. d3からd11までを選択、マウス右ボタンクリック→ポップアップメニューのセルの書式設定... →表示形式で「数値」、「小数点以下1桁」に設定。
  5. 大学進学率(%)は大学入学者/高校卒業者であたえられる。
  6. したがって1963年度の場合f3は=e3/c3%であたえられる。
  7. この式をオートフィル操作でf4からf11までに適用させる。
  8. d3からd11までを選択、マウス右ボタンクリック→ポップアップメニューのセルの書式設定... →表示形式で「数値」、「小数点以下1桁」に設定。

以下のような表が完成される。

グラフの完成

Excelの表・図のWord文書への貼り込み(ペースト)

今後レポート提出などでExcel表をWordに移しとること機会が多くなることが予想されるます。 また表やグラフ(図)をExcelで書き、解説はWordで文書にすることも多々あるでしょう。 ここで簡単Excel表、図のコピーとWordでのペーストについて確認しましょう。

表のコピー・ペースト

  1. Excelを起動。Wordで表を取り込みたいファイルも開くか新規作成で起動させる。
  2. Excelにて表作成。データを打ち込むのみでなく罫線も入れ、最終的な形にしておくことが望ましい。 もちろん罫線やデータ配置などはWordにおいても編集できるが。
  3. Excelにて対象表部分をドラッグし、メニューから編集→コピーを選択。
  4. Wordに移動。Wordでの編集メニューから形式を選択して貼り付け…を選ぶ。以下に示すダイアログボックスから ◎貼り付けを選択、最後にMicrosoft Excelワークシートオブジェクトを選択してOKをクリック。



  5. Excelの表がペーストされる。表オブジェクトをダブルクリックしてデータの修正や表サイズの修正をする。

次に図のコピー・ペースト

  1. Excelにてグラフ(図)作成。図はExcelですべて最後の最後まで仕上げておくのが望ましい。
  2. グラフを選択。メニューから編集→コピーを選択。
  3. Wordに移る。先の表と同様に編集メニューから形式を選択してペースト…を選ぶ。ダイアログボックスではペーストする形式をMicrosoft Excelグラフオブジェクトにする。他の設定は表のペースト時と同じにする。OKを押して図が挿入される。
  4. 大きさの調整をWord上で行なう。
質問、あるいはあやまりなど見つけたら編集者まで
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