平成13年度後期 解析概説IIb

時間割:金曜4限
教室:201
教科書:技術者のための高等数学4 複素関数論、E.クライツィグ著、丹生慶四郎・阿部寛治共訳、培風館
成績評価:試験と講義の途中で出すレポートによる。

内容(大まかな予定)
10月5日
休講

10月12日
1 複素関数
1.4 複素関数、解析関数
1.5 Cauchy-Riemannの関係式、調和関数
 解析関数であることと、全微分可能+Cauchy-Riemannの関係式を満たすことは同値
 解析関数の実部(虚部)は調和関数(C^2をとりあえず認めて)
1.6-1.9 初等関数
 指数関数・三角関数・双曲三角関数・対数関数の定義
 i^iを求めよう

10月19日
初等関数の残り
 指数関数の性質
 対数関数の多価性
2 等角写像
 解析関数を実平面から実平面への写像と思う
 例:1次関数、2乗、反転
 領域保存の定理・逆写像の定理(正則性)
 解析関数は微分が消えないところで等角(逆も成立するが省略)
 応用例:定常温度分布、非圧縮流体の渦なし流れの速度ポテンシャル、電位

10月26日
休講・レポート第1章・第2章の演習問題(11/9回収)

11月9日
3 複素積分、Cauchyの積分定理
 線積分とGreenの定理の復習
 単連結領域における共役調和関数の存在
 有界単連結領域の標準化(お話しのみ)、等角写像と調和関数の合成
 複素積分の定義(曲線は区分的にC^1級とする)と基本性質
 Cauchyの積分定理
 原始関数の存在 

11月16日
 原始関数を用いた定積分の計算
 Cauchyの積分公式
 解析関数の導関数
 Moreraの定理
 Cauchyの不等式
 Liouvilleの定理

11月30日
3章の演習
4 複素数列・級数、冪級数
 複素数列・級数の収束、Cauchy条件、絶対収束
 絶対収束なら収束、したがって実数の級数の判定がほとんどそのまま使える
 比較判定法、等比級数、Cauchyの判定法、d'Alembertの判定法
 絶対収束なら項の並べかえが可能
 冪級数
 収束半径
 Cauchy-Hadamardの定理
レポート第3章・第4章の演習問題(12/14回収)

12月7日
 収束半径・Cauchy-Hadamardの定理(証明)
 収束冪級数の連続性・一致の定理
 収束冪級数は項別微分可能で導関数は同じ収束半径を持つ
 収束冪級数は項別積分可能で原始関数は同じ収束半径を持つ
 例:1/(1+z2), arctan z, log z など
訂正: tan (4α-β)=1 (Martinの公式で)

12月14日
5 Taylor級数
 解析関数の各点におけるTaylor級数の存在と収束、係数の積分表示・微分表示
 解析関数の収束冪級数展開はTaylor級数と一致する
 exp zのTaylor級数、指数法則
 初等関数のTaylor級数:cos z, sin z, cosh z, sinh z, tan z
 log zのTaylor級数、解析接続
 Laurent級数の存在と収束、係数の積分表示

12月21日
 一様収束と項別積分(復習)
 Laurent級数の一意性
 特異点
 孤立特異点の分類:除去可能特異点(有界)、極(∞に発散)、真性特異点(その他)
 リーマン球面
 代数学の基本定理

1月11日
6 留数定理
 留数
 留数の計算方法:展開を用いる・単純極の場合の公式2つ・一般に極の場合
 留数定理
 計算例
留数を用いた定積分の計算
 三角関数の有理関数

1月25日
 有理関数の広義積分
 Fourier積分
 Fresnel積分
 他の積分路を取る例

2月1日
演習

2月8日
試験

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