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知覚・認知の視点から運動をひも解く 樋口貴広(知覚運動制御研究室)

セラピスト向け情報発信ページ

#575 講演報告(歩行と転倒:知覚・認知の視点で学ぶ)

4月21日に,コスモリハビリテーションサービスの研修会「歩行と転倒:知覚・認知の視点で学ぶ」にて話題提供をいたしました

今回は,樋口研究室の修了生,室井大佑氏(亀田リハビリテーション病院)と2人で話題提供をしました。修了生と一緒にこれだけ長い時間の話題提供を行うのは初めての経験でしたので,貴重な機会となりました。

前半は樋口より,3つのトピックについて話題提供しました。「運動制御のソフト的側面として知覚・認知の機能に着目する意義」「環境が運動に与えるインパクト」「2つの知覚的調整様式」という話題提供です。

講演終了後にアンケートにて,明日からの臨床のヒントになる情報があったら教えて下さいとお願いしたところ,たくさんの意見をいただきました。こうした情報をスクリーン上に呈示することで,参加者全体で情報を共有する努力をしました。以下はご意見の一例です。

  • ライトタッチを行うことで共収縮の改善
  • 片麻痺患者さんの自発ターン選択による転倒リスクの予測、
  • トイレ動作練習や更衣動作練習を環境設定を変えて、状況が変わっても安全に行えるのかどうか、確認しようと思いました。
  • 歩行練習中にデュアルタスクを積極的に取り入れたり、歩行場所などの環境を変えて患者に変化があるかを見てみたい。


室井氏は,大きく2つのトピックについて話題提供をしました。第1に,亀田リハビリテーション病院での転倒予防に関する取り組み,第2に,室井氏の研究テーマである,脳卒中者の障害物回避行動に関する情報提供です。

病院全体での転倒予防に関する取り組みでは,世界的な病院評価機構である Joint Commission International (JCI)からの認証評価を具体的題材にした話題提供がなされました。脳卒中者の障害物回避行動については,博士課程の研究データとして得られた情報,ならびに,半側空間無視症状を呈する患者へのケーススタディなど,多角的な観点からの話題提供がありました。

今回のセミナーを担当された江原裕作氏が,我々2名の共通の知人であったことから,こうしたイベントを実現することができました。江原氏ならびにお世話になったスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。

 



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