セラピストにむけた情報発信



本の出版「研究的思考法:想いを伝える技術」(三輪書店)




2019年2月18日
この度本を出版することになりました。以下,その概要をご紹介いたします。

樋口貴広 「研究的思考法:想いを伝える技術」 三輪書店,2019

内容の詳細は,三輪書店様のホームページをご参照ください

Amazonのページはこちらをご覧ください。

「研究領域において実践される作法に沿って,自分の考えを整理し,他者に伝わる形式で表現するための一連の思考プロセス」を,この本では研究的思考法と表現しています。学術文書やプレゼンテーションにおいて,自分の想い(○○という問題に対して,私は**と考える)をクリアーに伝えることを目標にしています。

本書は6章構成です。

1-3章は,パラグラフ・ライティングについて解説しています。学術文書の基本であり,小論文などの勉強をされた方であれば一度は身に着けた知識です。パラグラフの概念を真に理解できると,「思いを伝える際は,“意見・主張”+“根拠”のセットで伝えること」「意見・主張から先に伝えること」の重要性が理解できます。本書ではパラグラフの概念を,単に書くスキルとして留めず,思考の整理に利用する意義について説明しました。文書にせよプレゼンにせよ,パラグラフの概念に基づいて整理し,表現使用というものです。このため,3章のボリュームを使って丁寧に解説しました。

第4章は研究法に関する知識です。たった1章で解説できる知識はわずかです。そのため,個々でのわずかな知識を通して,「たとえ研究を本格的に志さない場合でも,研究法を本格的に勉強してみたい」と思えるような内容を意識して執筆しました。

第5章・第6章はそれぞれ,プレゼンテーションや論文執筆に関する章です。第1-4章で学んだ基礎知識を,プレゼンや論文に生かす具体的な方法について解説しています。プレゼンテーションにせよ論文執筆にせよ,正しいスタイルが1つに定まっているわけではありません。本書では私の研究室で実践している内容について紹介をしています。

私にとって本書は,大学院教育で大切にしていることまとめたものであり,研究教育に対する想いが詰まった本です。多くの人に読んでいただければ嬉しいです。

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