セラピストにむけた情報発信



バイオメカニズム学会(第39回バイオメカニズム学術講演会)




2018年11月12日
11月10-11日に第39回バイオメカニズム学術講演会が開催されました。この学会は,工学,整形外科学,リハビリテーション医学,スポーツ科学などの専門家たちが集まった複合科学的な特色を持つ学会です

私は別業務との兼ね合いで11日のみの参加となりましたが,一般演題として口頭発表をいたしました。「高齢者の隙間通過歩行:回避方略の空間的制約の効果」についての発表でした。

日常生活で障害物回避を経験する高齢者の方々でも,いざ実験室で実験してみると,一切障害物と衝突せずに実験を終えてしまうことが良くあります。考えてみれば, “あなたの障害物回避能力を測定しますよ”と宣言した状況下で実験を行えば,慎重に行動して障害物を回避できるというのは,きわめて当たり前のことのようにも思います。

そこで私たちの研究ででは,障害物回避の仕方に空間的な制約を設けました。具体的には,「接触せずに通り抜けられるギリギリの体幹回旋しかせずに,狭い隙間を通り抜けてください」という教示を,参加された高齢者に与えました。これにより,高齢者の接触の減少を比較的クリアーな形で実験室的に再現できたことを報告しました。

比較的少人数のセッションではありましたが,好意的に聞いてくださる先生が多かったことに恵まれ,充実した雰囲気の中で発表をすることができました。

学会には旧知の先生方も多く参加されていました。大会事務局長は,本年度本学の大学院特別講義にて講義をしていただいた,筑波大学の小野誠司先生でした。また,数年前に体育実技(バスケットボール)をご担当いただいた,岩見雅弘先生(東京農工大学)にもご挨拶することができました。

学会誌では毎回魅力的なトピックが組まれ,大変読みごたえがあります(その一例はリンクを参照)。理学療法士の方々のご発表も比較的多くあります。ぜひホームページをご覧ください


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