セラピストにむけた情報発信



理学療法士講習会(基礎編・理論)@徳島
「歩行の知覚・認知的制御」




2018年6月11日
徳島県理学療法士協会が主催である理学療法士講習会(基礎編・理論)にて話題提供をしました。

「歩行の認知神経科学」というテーマのもと,畿央大学の森岡周先生,および樋口の2名で話題提供をしました。タイトルはこちらをご覧ください。

森岡先生は,歩行の神経生理学に関する知識を解説されました。脳幹,基底核,小脳,大脳皮質の役割について現在までわかっている知識を,様々な事例をふまえながら解説されました。

私は歩行や姿勢制御における知覚の役割を解説しました。あらゆる場面でバランスを維持するためには,調整の作用が欠かせないこと,そして調整は知覚系と運動系の相互作用により成立するため,運動も知覚も等しく重要であるということを解説しました。
我々2名がコンビで話題提供をするのは,これで8年連続8回目となります。これだけ長く話題提供のチャンスを頂けるということは,なかなかないことです。

こうした経緯もあり,昨年度から我々2名だけの話題提供に加えて,地元徳島県で活躍されている若手理学療法士の方々の話題提供もセッションに加えることになりました。今年度は2名の先生は発表されました。

村口良介氏(博愛記念病院)は,「事件からのオプティックフロー知覚に伴う姿勢制御の変動」というタイトルで発表されました。ベッドから離床し,立位・歩行訓練する際に見られるふらつきは,視線が変わることで床からのフロー情報が変わることへうまく適応できていないからではないか,ということを検証する実験経過が報告されました。

平島賢一氏(徳島文理大学)は,「地域高齢者の転倒予防を目的としたまたぎ歩行課題のmissstepについて」というタイトルで発表されました。障害物回避の様子を,できるだけ動作難易度を低くして,日常のようなゆとりを持った場面で測定したいという想いから,ラインまたぎの課題を設定しました。歩行距離が長くなるほど,転倒危険性が高い高齢者がラインを踏んでしまう現象(misstep)が多くなることがわかりました。

講演当日がたまたま私の誕生日だったこともあり,スタッフの皆様にお祝いをしてもらいました。これからもよい関係を継続したいなと心から思う次第です。


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