研究テーマ

数理工学 全般について特に数理的構造を重視して研究を行っています. 今までやってきた研究には,組合せ最適化(離散凸解析), マトロイドなど離散数学の応用(混合行列の理論), 群論的分岐理論の応用などがあります.

離散凸解析:

ネットワークなどの離散構造の上に定義された関数の性質を, 凸解析と組合せ論の両方の視点から考察する理論体系です. 電気回路,オペレーションズ・リサーチ,ゲーム理論,経済学など, いろいろな分野と関係があります. 詳しくは,
  室田一雄: 離散凸解析, 共立出版, 2001,
  室田一雄: 離散凸解析の考えかた, 共立出版, 2007,
  室田一雄,塩浦 昭義:離散凸解析と最適化アルゴリズム,朝倉書店, 2013,
  K. Murota: Discrete Convex Analysis, SIAM, 2003
をご覧下さい. → 発表論文リスト ; → スライド(離散凸解析全般) (塩浦昭義先生); → スライド(離散凸解析とオークション) (塩浦昭義先生)

グラフ・マトロイドによるシステム解析/行列の組合せ論的解析手法:

マトロイド(matroid)というのは,マトリックス(matrix)のようなもの, という意味をもつ言葉です. マトロイドは, 線形独立性のもつ性質を抽出した抽象的な離散的な構造のことですが, これが,電気回路などの実際的な問題と深く関係しています. 詳しくは,
  K. Murota: Matrices and Matroids for Systems Analysis, Springer-Verlag, 2000
をご覧下さい. → 発表論文リスト(混合行列) ; → 発表論文リスト(組合せ緩和) ; → 発表論文リスト(付値マトロイド) ; → スライド(混合行列の概念)

群論的分岐理論の構造工学への応用:

自然界にはいろいろなパターンの形成が観察されますが, それらの多くは, 非線形方程式系の解の分岐に伴う対称性の変化として数学的には理解されます. これが,いわゆる「群論的分岐理論」です. 工学においても「群論的分岐理論」の視点が実験データの解析に有効です. 詳しくは,
  池田清宏,室田一雄: 構造系の座屈と分岐, コロナ社, 2001,
  K. Ikeda and K. Murota: Imperfect Bifurcation in Structures and Materials: Engineering Use of Group-Theoretic Bifurcation Theory, 2nd ed., Springer-Verlag, 2010
をご覧下さい. → 発表論文リスト

経済地理学/空間経済学:

都市の発展を経済活動と結び付けて考えるときには, 経済学における生産・消費・価格などの均衡の概念と同時に,地理的/空間的な構造に内在する要因を考慮する必要があります. 経済地理学は,数理的には,最適化と幾何学の接点となっています. 詳しくは,
  K. Ikeda and K. Murota: Bifurcation Theory for Hexagonal Agglomeration in Economic Geography, Springer-Verlag, 2014
をご覧下さい. → 発表論文リスト ; → スライド

数値計算法:

数値計算は計算機に関係する学問分野の中で最も長い伝統をもっています. ニュートンやガウスの名前のついた数値計算のアルゴリズムが現在でもいろいろな方面で活用されていることが, その一つの証拠です. 数値計算は計算機が誕生するはるか以前にその地位を確立し, 計算機誕生後も着々と発展を続けて, 科学技術を根底から支えるまでに至っています. 数値計算はほとんどすべての数学と関係をもっていて, 数値計算とその周辺には掘り下げれば掘り下げるほど興味が深まる数理的題材が無数にあります. 詳しくは,
  杉原正顯, 室田一雄: 数値計算法の数理, 岩波書店, 1994
  杉原正顯, 室田一雄: 線形計算の数理, 岩波書店, 2009
をご覧下さい. → 発表論文リスト

最適化:

トラベリングセールスマンの問題というのを聞いたことがありませんか?  セールスマンがすべての都市を最短移動距離で回るには,どうすればよいか, という問題です.これは典型的な最適化問題です. 最適化の理論は数理計画法とも呼ばれますが, 現実の問題から数学モデルをつくって, それを数学的に解析して役立てる手法を研究する学問です. → 発表論文リスト(離散凸解析) 発表論文リスト(半正定値計画法)