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 首都大学東京 アジア高度研究

アジア高度研究
「老朽化に向かう都市インフラ施設の長期安全性確保に関する研究」
について
real estate


代表ご挨拶

代表教授 宇治公隆 

アジア高度研究「老朽化に向かう都市インフラ施設の長期安全性確保に関する研究」では、首都・東京をはじめとする大都市に構築された社会資本施設の安全性の確保をいかに長期に渡り達成するか、ということを研究しました。


研究対象は、我々の身近に存在するコンクリート構造物、鋼構造物・複合構造物、トンネル・地下構造物、土構造物等であり、また、それらを社会生活において有効に活用するための、道路を主体とした交通ネットワークに関して研究を行っています。
快適かつ効率的な生活環境が当たり前と認識されている現代社会において、老朽化というほとんど全ての構造物の宿命に向き合い、維持管理における費用対効果をも念頭においた、社会資本の維持管理に役立てることを目指します。
2011年度からの5年間の予定で研究を進めましたが、得られた成果は適宜、速やかに公表し、社会のさらなる発展に貢献したいと考えています。


アジア高度研究とは

東京都は、アジアの将来を担う人材の育成に資する施策に充てるため、平成20年度に「アジア人材育成基金」を設置し、約10年に渡ってアジアからの優秀な留学生を首都大学東京の博士課程に受け入れ、アジアの発展や大都市問題の解決に資する高度先端的な研究である「高度研究」を実施しました。
平成23年度、首都大学東京大学院都市環境科学研究科では、「老朽化に向かう都市インフラ施設の長期安全性確保に関する研究」が本研究課題として採択され、5年間に渡りその研究を実施しました。

研究の背景と課題

日本の首都、東京の膨大な数のインフラ施設(構造物)は、日本の経済活動を支え、一般市民に快適な生活環境を提供しています。これらの多くは高度経済成長を機とした活発な経済活動の時代に建設されました。都市インフラ施設に期待する供用年数は、50年を一つの目安として考えることができますが、近い将来、老朽化の懸念を抱えた施設が急速に増加することとなります。
本研究では、都市インフラ施設の長寿命化・サスティナビリティ(持続可能な都市)を課題とし、都市インフラ施設の老朽化を抑制する方策について工学的側面から示しました。また、諸施設の将来における重要度を適切に予測する必要があり、重要度に大きく影響する交通状況の推定手法を確立することを目指しました。
成熟した都市インフラ施設の合理的維持管理手法についての本研究は先駆的であり、アジア諸国の技術者に、東京が歩んできたインフラ施設構築・維持管理の軌跡、東京の過去、現在、将来の都市インフラ施設の安全性確保に関する情報を伝授し、理想的な大都市の構築に活かすことを目指しています。