参加学生からのメッセージ

 理系女子進学応援プロジェクトにティーチングアシスタントとして参加した学部生・大学院生からのメッセージです。

「学校で教わる数学が世の中でどのように役立っているか」をテーマに、私の専門である機械工学の内容から「飛行機はなぜ飛べる?」というタイトルで、高校生の皆さんに話をしました。

2014年度 品川女子学院チーム 機械工学専攻M1

飛行機はなぜ飛べる?

 高校生に理解してもらうために「わかりやすさ」に重きを置いた発表した結果、女子生徒たちの反応はよく、非常に有意義な講座になりました。講演後のグループディスカッションでは「機械工学に進みたいが、男性に対して恐怖心がある」といった意見がでてきたことが、とても印象に残っています。
 そもそも私は、性別に関係なく自分が望む進路を選択するのが一番だと考えていたのですが、女性が気持ちよく勉強や研究ができる環境づくりは大事なことであり、それを我々が先頭に立ってしなければならないと感じました。この発表を通して、女性が抱える普段気付かないこのような問題について知ることができ、貴重な機会となりました。

文理選択に悩む高校1年生を対象に進路選択や大学生活、研究内容について、スライドを用いて会話をしながら紹介しました。

2014年度 共立女子高等学校チーム 生命科学専攻M1  

私の研究

 進路選択のきっかけとなった出来事やその選択をした結果とその後のことまで、詳しく話しました。なかでも、私と似たような迷いを持った生徒から、私の話を聞いて「生物により興味を持った」と言われたことはとても嬉しかったです。その後、オープンラボにも来てくれました。このプロジェクトを通じて、自身の経験談で高校生に何かきっかけを与えられたという喜びを実感しました。さらに、自分の経験を振り返ることや高校生にわかりやすい伝え方を考えることで、自身の成長にもつながりました。
 女子高校生が、想像や苦手意識からではなく、自分の興味に素直な選択ができるように、多くの学部生・大学院生がこの活動に参加し、理系の面白さとリアルな情報を発信し続けてほしいです。

高校生に向けて「花に隠れている数学」という題で花びらの枚数に出てくるフィボナッチ数列の話をしました。

2014年度 品川女子学院チーム 物理学専攻M1  

花に隠れている数学

 準備期間は、分野外のことを調べることが研究の息抜きにもなり(笑)、また普段関わりのない他分野の学生と知り合い、議論しあえる貴重な経験になりました。高校生に数学・理系進学に興味を持ってもらうにはどうすればよいかを考えるのは大変だけれど、楽しかったです。伝え方を工夫し練習などを繰り返すことが人前で発表することの練習になりました。
 私は共学出身なので、私立学校の現役の女子生徒に会うことが新鮮な出来事でした。発表後の座談会では、自分が高校時代に感じた進学への不安や悩みを思い出しながら、理系を選択したことの結果を踏まえて高校生の質問に答えました。この経験が、女子高校生の理系進学のきっかけになればいいなと思いました。このプロジェクトに参加することができて良かったです。

大学院に関する情報の少なさが理系進学の妨げになっているのではないかと考え、大学院に関する話をしました。

2014年度 共立女子高等学校チーム 物理学専攻M2  

大学院に関する話

 例えば、首都大学東京では、理系学部卒業生のおよそ6割が大学院に進学しているように、全国でも理系学部卒業生の多くが大学院に進学していると考えられます。このような状況であるにもかかわらず、高校生向けの大学院情報はあまり聞いたことがありません。私が高校生だったときにも、大学院という存在は何となく知っていたものの、「大学院とは一体何をする場所なのか?」ということがわかっていませんでした。
 私が今回、話をしたことで理系進学者が増え、将来一人でも多くの優秀な科学者が現れることに繋がれば幸いです。学部生・大学院生の皆さんも是非、理系女子進学応援プロジェクトに参加し、将来、私たちが担うべき日本の科学界をより良いものにするべく、活動しましょう。

学部生(化学コース)2名の共同発表という形で、文理選択時期の高校一年生を対象に高校生活から大学生活全般のざっくりとした内容で話しました。発表者のひとりは共立女子高校の卒業生です。

2014年度 共立女子高等学校チーム 化学コースB4  

大学院に関する話

以下のテーマで話をしました。
・ 高校時代の受験勉強のやり方
・ 大学 (化学科) での座学での勉強
・ 専門実験の具体的な内容やレポートについて
・ 理系の就職活動(将来選択)について
 「理系進学を選択することで可能性が絞られてしまう」ことを心配する保護者には、「就職先は技術職とビジネス職、どちらも選択可能である」ことを伝えました。また、研究者を志す高校生には、「大学院進学を視野に入れて学部学科選択をする」ことを話しました。高校1年生に対し、就職の話はすこし早かったかもしれませんが、広い視野で将来を見つめることで目の前にある文系か理系かの選択の参考になったのではないかと思います。

大学説明会の理系女子進学応援隊の一員としてオープンラボブースで女子高校生の相談にのりました。

2014年度 オープンラボチーム 物理学専攻M1  

理系女子進学応援隊の一員として

 理系の魅力に対して、「リケジョ」の数が少ないのは、以前から不思議に思っていることです。例えば私が勉強している物理学で言うと「宇宙の果てはどうなっているのか」とか「物質の究極単位は何か」とか、人を惹きつける問いが沢山あります。他の理系科目でもそうでしょう。そういう意味で、理系というのは本来、人の興味を引きやすいと思うのです。
 オープンラボには予想よりずっと多くの方が来ていましたから、潜在的な「リケジョ」はやっぱり結構いるのではと思います。それでも表面的に「リケジョ」が増えない原因は、多分色々あって、私は想像するしか無いのですが、大学には、この「理系女子応援プロジェクト」のように「リケジョ」をサポートする活動があります。これらを上手く活用して、潜在的な「リケジョ」達が自分にとってベストな選択をできるようになれたら良いと思います。

専攻ごとのブースにて高校生や保護者の方を対象に、フランクに会話をしながら大学生活や受験対策等についての相談を受けました。

2014年度 オープンラボチーム 電気電子工学専攻M1  

大学生活や受験対策等について
理系の学生生活の紹介と学生から高校生へのメッセージを掲示しました。

 理学系の分野は、「物理・化学・生物・数学」という高校の授業と結びつきやすいのに対し、電気や機械等の工学科は全体像がイメージし辛いようで、「普段どんなことを勉強しているの?」という質問が印象的でした。これは理系に限りませんが、その分野がどういうものなのかを意識を持って調べようとしなければ、限られた情報の中で進路を選ぶことになります。今回、高校生と接し、理系に多少興味がある生徒でも「数学Ⅲは難しいらしい」、「工学部は女子がいなくて大変そう」などの偏ったイメージだけで理系進学を諦めることもあるのかな、と感じました。
 進路選択をする際は、より多様な選択肢に触れる機会があるべきだと考えます。本プロジェクトの活動はその一端を担うことができると思うので、来年度以降もぜひ多くの大学生・大学院生に参加してもらいたいです。

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