活動報告｜首都大学東京　理系女子進学応援プロジェクト

数学が面白くなる講座＠品川女子学院

概要

日時：2014 年６月26 日（木） 16:00-17:30
場所：品川女子学院
参加者数：高校１年生40名
ティーチングアシスタント：物理・博士前期２年１名、博士前期１年１名
　　　　　　　　　　　　　生命・博士前期１年１名
　　　　　　　　　　　　　電気電子・博士前期１年１名
　　　　　　　　　　　　　機械・博士前期１年１名

【プログラム】
(1) みんなの周りでこんなに役立っている数学（発表　40分）
生物の中の数学
・お花の中の数学
・動物の縞模様と数学
・ディズニーランド必勝法
・飛行機はなぜ飛べる？
(2) グループディスカッション（20分　2回）
　　大学院生による数学の勉強へのアドバイス
(3) アンケート記入

事前準備

４月にチームが結成され、ほぼ毎週集まって発表内容を詰めてゆきました。生徒に数学を好きになってもらいたいため，数学がどのように社会で使われているか，そして，自分たちは受験の為に数学をどのように勉強したかを考えることにしました。まずは，自分の専攻や興味を生かした数学と社会の関わりについての項目をあげました。その後，数学が実際に使われるところを見せることができるか，プレゼンとしてまとめることができるかなどを考え，４つの項目に絞りました。ちなみに，発表まで至らなかった項目には

ハニカム構造はなぜ強い
野菜の形を数式で表す
トンボの飛び方の数学
通信と数学
超音波診断はなぜできる？
携帯電話のセンサーの原理
折り紙とシミュレーション
荷物はこう持とう。筋肉のモーメント

などがあります。その後，内容をプレゼンにまとめ，何度も発表する中で内容をブラッシュアップさせました。生徒とどこで絡むか，時間をどのように配分するか，教室の中での立ち位置をどうするかなども詳しく話し合いました。グループディスカッションでは、事前に話す内容を決めず，生徒からの質問や生徒の意見をもとにアドバイスなどができたら、ということにしました。

講座の様子

最初の「紹介」以外はすべてティーチングアシスタントの大学院生によって行いました。全体90分のうち発表が40分，２班に分けたグループディスカッションは20分を２回行いました。

発表内容は具体的な話題にし，難しい所は「わからなくてよい」という言葉を生徒にかけました。講座は非常に対話的で，ほとんどの生徒が盛り上がり，飽きずに聞いてくれました。発表はスクリーンではなく，モニターで行いましたが、モニターが小さかったため，見えにくかった可能性があります。

グループディスカッションでは，２年目の今年、高校の先生の方から提案で、グループごとに教室を分けて行ったので，各グループは他のグループの声に惑わされることなく，話を進めることができました。１年目の昨年度はクラスを３つに分けてティーチングアシスタントを固定してグループディスカッションを行いましたが，本年度，２つのグループそれぞれにティーチングアシスタントを配置し，ティーチングアシスタントが２つの教室を交代して，生徒全員とグループディスカッションを行いました。

数学の先生がいる間は，生徒はあまり数学のつまらなく思っていることを言い出さなかったのですが，先生が（わざと）退出すると，「証明問題は，答えが既にわかっているのになぜ証明するのかよくわからない」や「虚数を習う意味が不明」など，普段思っていることを発言していました。ティーチングアシスタントが「研究では本当かどうかわからないことを証明するのだけれど、その練習で証明問題を解いているのではないか」や「虚数は大学で電気を習うと使うよ」と答えると，生徒達は納得したようです。また，あるティーチングアシスタントは「ライバルをつくって，それに追いつこうと協力しながらがんばるとよい」というアドバイスを送り，参考になったとの良い反響が生徒から帰ってきました。

アンケートからわかったこと

高校１年生では，希望して本講座をとった生徒の中でも，理系文系の志望をまだ決めていない人が多くいることがわかったので，ターゲットとしてよかったと考えています。数学を嫌いな人もいましたがその数は多くはありませんでした。品川女子学院では昨年度も本講座を開催しましたが，グループディスカッションの満足度は昨年度よりも上がっていました。ティーチングアシスタントの院生が研究のことよりも，自分の高校時代の情熱のようなものを伝えたのが、高評価に繋がったのでないかと考えています。また，このような講座を受けたいですか（Ｑ７），数学への印象はどうでしたか（Ｑ８）との質問では、昨年度より評価が高く、講座から刺激を受けていることがうかがえます。

アンケート集計結果　　（回答者数40名）

Q1: 志望は決まっていますか？

Q2: 数学は好きですか？

Q3: 理科は（どれか一科目でも）好きですか？

Q4: 今回の講座の評価

Q5: 大学院生の数学の勉強へのアドバイスは？

Q6: 似たような講座をまた受けたいですか？

Q7: 講座を受けて，数学に対しての印象が変わりましたか？

Q8: 今回の講座で良かった点を挙げてください。

【発表について】

スライドが分かりやすかったです。
プレゼンがすごくよかった。
スライドがわかりやすかった。
話しやすい雰囲気で楽しかったです！
面白かったです！！！スライドが楽しかった！先生になれるとおもいました。
スライドが分かりやすく、かわいくて、お話も楽しくて、質問にも親身になって答えてくださってうれしかったです！
大学のことについてきけてよかった。話しかけてくれて楽しかった。スライドが分かりやすかった。ディズニーの回り方のコツが分かった。
講師さんがみんな楽しそうに話をしていて楽しく聞けました。質問とかもすぐに答えてくれてすごくよかったです！！
とてもおもしろかった。数学がんばろうと思った。
普段の大学のオーキャンでは聞けないことを聞くことができました！とても聞きやすかったです！
身近なことから数学にみちびいているので、面白かったです！スライドもかわいいし、おもしろくて，わかりやすかったです。
わかりやすく、熱心に教えてくれたこと。

【内容について】

テーマが４つそれぞれちがったので、ちがう話がきけて面白かったです。
身近すぎることが、数学で表せることに気づいてたのしかった。だいたいのことをメモしてしまうほどでした！
身近なところから、むずかしい公式もさらっと通って、楽しくおしえていただいて良かったです。楽しかったです！
お花の花びらはフィボナッチ数列に関わっているのは凄かったです、知らないことを知れてよかったです。
いつも思っていなかったところにも数学が使われていて、びっくりしました！質問の答とかもタメになってよかったです。
日常にたくさん理科があって面白かったです。
現役の大学院生の方の話が面白くて、絶対理系に進もうと決めました！身の回りで数学がとても役に立っていることがよくわかりました。機械系が好きなので、飛行機の話しが面白かったです。機械工学進めるようにがんばります。
数学をもっと身近に感じることができるようになりました。
楽しかった！！！！！！！！！知らないことが知れた！！！飛行機が楽しかった。
勉強の話とはすぐにねむくなるのに、ならなかった！
話がすごいおもしろかったです！生活に数学がたくさんからんでいるということがわかってよかったです。
私たちが知らないことを知ることができた。これからの生活に活かせるものが多かったからためになった。
身近なものや、一見数学に関係がなさそうなものも数学にむすびついていると分かった点。
勉強の仕方がきけてよかった。数学を少し軽く感じれて、これからも頑張ろうと思った。飛行機の話楽しかった。
勉強方法のアドバイスなどを聞けてよかった。理系大学について知れた。
身近なことと関連させて紹介してくださったので、とても面白かったです！！
身近なことでも数学に関係あるんだとわかった。
すごくわかりやすかったです！！模様のでき方の数式がとてもおもしろかった。
数学に対しての印象が軽くなった。
数学一直線のような話ではなく、身の回りの数学の話を聞けて良かったです。大学院がどのような所か分かって良かったです。
学校の授業では絶対にないことなので興味が持てました！
色々なことが知れて楽しかった。飛行機が好きなのでおもしろかった。
受けていて、面白かったし楽しかったです。飛行機の良かったです。
ためになる話があった、証明の話とか。。。
あきなくていいと思います（全体的に）。
数学が興味深くなった。フレンドリーでとても楽しかった。

Q9: 今回の講座で良くなかった点やこうした方がいい点を挙げてください。