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講義内容

フランス語(中級)

以下、フランス語・中級レベルの講義です。「フランス語 I」で初級文法を一通り終えた学生が、2‐3年生時に履修するとよいでしょう。

フランス語Ⅱ801a 仲谷久美子 前期・月3

方針・テーマ:フランス語の音の世界、フランスの物語の楽しさ、フランス社会の現実にふれながら、日本文化との比較を視野に入れて、学生のみなさんと共に、「言語」すなわち文化の問題を考えたい。
目的・目標:(a)フランス語の文章を読んだり、書いたり、聞き取るという基本的フランス語能力の向上。(b)「日本文化」そして「フランス文化」を考える契機。(c)「言語」とは何か、という哲学的テーマへのアプローチ。
授業計画・内容:第1回 シラバス確認とガイダンス 第2回〜第15回 毎回教材を使用してフランス語能力を強化すると同時に、日仏文化について討議する。
テキスト・参考書等:最近のフランス事情を多面的に語る『décryptage』(白水社)を基軸に、日仏の文化、言語、社会に関する多彩な題材をプリントで配布予定。

フランス語Ⅱ801b 仲谷久美子 後期・月3

方針・テーマ:前期のテーマをさらに深化させる。日本語とは異なるフランス語の「美しさ」を楽しみ、児童文学を含めたフランス文学独自の発想の「斬新さ」を見いだし、EUという日本社会の現実とは違う「空間」を理解することで、フランス文化はもちろんのことだが、日本文化とは何か、そして「言語」とは何かを共に考えたい。
目的・目標:(a)日本の中だけに生きていては見えない「視点」の獲得。 (b)「言語」そして「文化」とは何かを考える。(c)中級フランス語の能力の獲得。
授業計画・内容:第1回 シラバス確認とガイダンス 第2回〜第15回 毎回教材を使用してフランス語能力を強化すると同時に、日仏文化について討議する。

フランス語II802 谷川 かおる 前期・火3

方針・テーマ:サンテグジュペリ著『Le petit prince (星の王子さま) 』講読。
フランス語基本文法をひととおり習得しても、実際の文学作品を原文で読もうとすると、さまざまな困難に出会う。そこで、この授業では親しみやすい『星の王子さま』を取り上げ、基本文法を復習しつつ、まずは文学作品の読解に慣れることを目標とする。また、何種類も出た翻訳本を比較することにより、翻訳のさいに犯しやすい間違い(担当教員の翻訳本の誤訳も含む)を検討する。次いで、たんに横のものを縦にするだけでなく、適切な訳語を探し、日本語表現を練る訓練をしたい。絵画制作にデッサンの訓練があるように、翻訳作業にもコツがあり、訓練しだいでかなり上達するものである。最終的には、学生ひとりひとりが、美しい翻訳『私家版・星の王子さま』をつくりあげることを目標とする。

フランス語II802 谷川 かおる 後期・火3

方針・テーマ:サンテグジュペリ著『Le petit prince (星の王子さま) 』講読。
フランス語基本文法をひととおり習得しても、実際の文学作品を原文で読もうとすると、さまざまな困難に出会う。そこで、この授業では親しみやすい『星の王子さま』を取り上げ、基本文法を復習しつつ、まずは文学作品の読解に慣れることを目標とする。また、何種類も出た翻訳本を比較することにより、翻訳のさいに犯しやすい間違い(担当教員の翻訳本の誤訳も含む)を検討する。次いで、たんに横のものを縦にするだけでなく、適切な訳語を探し、日本語表現を練る訓練をしたい。絵画制作にデッサンの訓練があるように、翻訳作業にもコツがあり、訓練しだいでかなり上達するものである。最終的には、学生ひとりひとりが、美しい翻訳『私家版・星の王子さま』をつくりあげることを目標とする。

フランス語Ⅱ803a・b 小川定義 前期・後期・水2

方針・テーマ:初級フランス語で習得した基礎知識を外国語としてのフランス語教材を用い、聴く・理解する・書く・読む・話す等、全方位的な運用能力の面で補強する総合的な中級講座。教科書以外にもフランスの週刊ジャーナル、ポッドキャスト、その他の教材を補って使い、フランスについての知見も広める。
目的・目標:フランス語中級語彙、表現、基本動詞の弾力的な活用、聴き取り能力。初級の再確認と上級への橋渡し。初級文法の十全なマスターと運用能力の基礎力養成を到達目標とする。また、時事的なフランス語のプリントにより、この方面の読解力も養う。
テキスト・参考書等:Métro Saint-Michel, CLE international (ISBN : 978-2-09-032539-3)を用いる。

フランス語Ⅱ804a・b 三浦 直希 前期・後期・金3

方針・テーマ:この授業では、「フランス語Ⅰ」で学んだ基礎を確認しながら、フランス語をさらに実用的に使いこなせるよう訓練を行う。教材は、フランスの現在の文化・社会・政治・日常生活などを扱った新鮮なテキストを用いる。他に、映画やニュースも利用する。このように言語の背景となる知識を習得しながら語彙力や文の理解力の向上を図り、練習問題によって文法的知識や作文力を強化する。
目的・目標:脱初級のフランス語能力、およびフランス社会に関する知識。語彙力、読解力、作文力の向上。音読を通じた発音の矯正。現代フランスの一般常識、注目される現象、社会問題などの知識
テキスト・参考書等:『時事フランス語2012年度版』(加藤晴久+ミシェル・サガズ著、朝日出版社、2012)テキストに加えて、映画やニュースなどを適宜使用する

フランス語作文Ⅰ 富田今日子 前期・後期・火4

方針・テーマ:初級文法を復習しながら、平易で自然な文章を書く練習をする。フランス語の音と構造を楽しみながら学ぶために、随時アトリエ・デクリチュールを行う。
目的・目標:フランス語で文章を書くことに慣れ親しみ、かつ自然で正しい文章が書けるようになること。フランス語で説明するときの論理の順序に慣れること。
テキスト・参考書等:A la ligne、 塩谷真由美、Louise Gonthier-Hosoï著 駿河台出版社

フランス語会話Ⅰ 富田今日子 前期・後期・火5

方針・テーマ:フランス語で自然な意思伝達ができるように、基本的な聴解能力と話す力を養います。
目的・目標:自然なフランス語が口をついて出てくるようになること。暗記するくらい繰り返し練習すること、それを少しでも毎日継続することで、この目標に到達できるはずです。
テキスト・参考書等: SCENARIO I Hachette社刊

仏語学演習 藤原真実 前期・金2

方針・テーマ:仏検対策A(3級〜準2級、筆記問題)
フランス語検定受験を目標に、筆記問題中心の演習を通して語学力の充実と強化をはかる。指定された問題集から一定の範囲を毎回の宿題とし、次回の授業の始めにテストを行う。授業の後半ではテストの答え合わせと解説を行う。
目的・目標:フランス語検定3級程度の語学力、および準2級の受験準備
テキスト・参考書等:必携書:『完全予想 仏検3級 筆記問題編』(駿河台出版社)

仏語学演習 藤原真実 前期・水3

方針・テーマ:「仏検対策A‘(仏検3級〜準2級、聴解問題)」
仏検対策A(金曜2時限)を補完することを目的として、以下の演習を行う。(1)フランス語を正しく発音し、書き取り、聞き取り、理解する力をつける。(2)必要に応じて、語彙および動詞の活用の練習をする。
目的・目標:フランス語検定3級程度の語学力、および準2級の受験準備 。
テキスト・参考書等:富田正二『完全予想 仏検3級 聞き取り問題編』(駿河台出版社) 菊地歌子著『フランス語発音トレーニング』(白水社)

フランス語(上級)

以下、フランス語・上級レベルの講義です。「フランス語 II」などの中級レベルを終えて、あるいはそれと並行して、3-4年生時や修士課程で履修するとよいでしょう。

上級フランス語 鈴木大悟 前期・火3

方針・テーマ:フランス語運用能力の向上。身近なフランス文化の理解。
目的・目標:読むことを中心とした中・上級フランス語の習得。
視覚・聴覚教材など適宜利用し、手の届くフランス文化にも親しむ。
テキスト・参考書等:テキスト:プリント配布予定。 参考書:仏和辞典『ル・ディコ』(白水社)。

上級フランス語 内藤ソランジュ 前期・後期・木3

方針・テーマ:Atelier d'écriture. L'objectif de ce cours est d'entraîner les étudiants à écrire, lire et parler par la dictée, l'écriture et la lecture de textes et de leurs écrits.
目的・目標: Production d'écrits, soit à partir de textes, soit à partir de jeux écrits, soit écriture libre.
テキスト・参考書等:Des polycopiés seront distribués chaque semaine.

上級フランス語 岡田真知夫 前期・後期・木5

方針・テーマ:18世紀の小説と19世紀の学術講演のテキストを読み,現代語とはやや異なるスタイルの文章に慣れるようにしたい.
目的・目標:現代語の口語ではほとんど使われなくなった動詞の完了系諸時称(単純過去・前過去,接続法半過去・大過去)の形態と用法に習熟することを,語学的な到達目標の一つとする.あわせて,読んだテキストの荒筋や要点を要領よくメモして記憶する力を養い,複数のテキストを比較検討する方法を学んでいただく.
テキスト・参考書等:テキスト:Voltaire, Zadig ou la destinée (1747), "L'hermite" は,コピーで.Gaston Paris, "L'ange et l'ermite" (1880) は,松原秀一氏が注を付けた教科書版(芸林書房)を使用.参考書:朝倉季雄『新フランス文法事典』,林達夫「三つの指環の話」(『文藝復興』所収),松原秀一『中世ヨーロッパの説話 東と西の出会い』(中公文庫)

上級フランス語 ボリ・ロランス 前期・後期・金2

方針・テーマ:Découvrir la culture et la société françaises à travers les comédies musicales.
目的・目標:Exprimer clairement son opinion en français sur des sujets de société.
テキスト・参考書等:Photocopies.

フランス語作文II カリオ・ヴァンサン 前期・後期・月2

方針・テーマ : フランス語の筆記表現を学習し、覚えてきた表現や文句を実際に用いる練習をして、語学力を向上させる。
目的・目標:異なるテーマの語彙や文体を使い、教師と講義参加者全員で文章を添削することで、フランス語の実践的能力の上達を目指す。
テキスト・参考書等 : 講義中にさまざまなプリントを配布する。

フランス語会話II カリオ・ヴァンサン 前期・後期・月3

方針・テーマ : フランス語の口頭表現を学習し、すでに知っている表現や語句を実際に用いる練習をして、語学力を向上させる。
目的・目標:異なるテーマの語彙やパターンを使い、教師と学生同士がペアでフランス語で会話をすることで、フランス語の実践的能力の上達を目指す。
テキスト・参考書等 : J.-L. Azra, B. Vannieuwenhuyse, Conversation dans la classe - Avancee 2007, Alma Editeur, Tokyo, 2007, ISBN: 499010725X

仏語学演習 藤原真実 後期・水3

方針・テーマ:「仏検対策B‘(仏検準2級〜2級、聴解問題)」
仏検対策B(金曜2時限)を補完するため、以下の演習を行う。(1)フランス語を正しく発音し、書き取り、聞き取り、理解する力をつける。(2)必要に応じて、語彙および動詞の活用の練習をする。
目的・目標:フランス語検定準2級〜2級程度の語学力

仏語学演習 藤原真実 後期・金2

方針・テーマ:仏検対策B(準2級〜2級、筆記問題)
フランス語検定試験準2級または2級の受験を目標に、筆記問題を中心に基礎的語学力の充実と強化をはかる。指定された問題集から一定の範囲を毎回の宿題とし、次回の授業の始めにテストを行う。授業の後半ではテストの答え合わせと解説を行う。
目的・目標:フランス語検定準2級〜2級程度の語学力。準2級と2級のどちらを目指すかについては、受講者の顔ぶれを見、希望を聞いた上で判断する。

仏語科教育法2 大久保康明 前期・後期・金6

方針・テーマ:フランス語の初級文法、初級講読を主な教授対象に設定して、教授法を習得する。授業は模擬授業を中心に行い、試行錯誤を重ねながらより良い教授法を追求する。発音矯正、ディクテなどにも力を入れる。
目的・目標:フランス語を教えるために必要な具体的な技術を習得することができる。
テキスト・参考書等:特に指定しない。

専門演習(学部)

専門演習では、フランスの文学、思想、表象文化、言語、社会、歴史などを少人数形式で学びます。演習のスタイルや進度、評価方法は、担当教師によって異なります。

フランス語圏文学演習 カリオ・ヴァンサン 前期・月・4

方針・テーマ : Ce cours est une introduction à la lecture freudienne du texte littéraire.
目的・目標: L'objectif de ce cours est de sensibiliser les étudiants au regard porté par les critiques freudiens sur le texte littéraire, de mettre à leur disposition cet outil d'analyse et leur proposer d'en faire usage dans un essai de lecture psychanalytique individuel.

フランス語圏文学史A 西山雄二 前期・月4

方針・テーマ : 文学は人間の精神的活動である以上、人間存在の解釈や定義に深く関係する。文学作品の可能性をいかに探求するのか、文学テクストをいかに豊かに読解するのか、文学活動によっていかなる社会的実践をおこなうのか、文学作品からいかなる新たな思想を紡ぎ出すのか。20世紀を通じて、文学は、また、文学をめぐる批評と思想は、時代を切り開き、新たな人間の可能性をもたらす有効な羅針盤として機能してきた。本講義の目的は、20世紀のフランス文学をめぐる批評と思想の推移を通じて、人間存在の形象や可能性がどのように変化したのかを概観することである。
目的・目標 : 20世紀のフランス文学をめぐる代表的な批評と思想をオムニバス形式で通観することで、その理解を深める。批評と思想の潮流に焦点をあてることで、20世紀フランスの文学・思想的輪郭を理解し、変容する人間の可能性を考察する。

フランス語圏文学史B 木村正彦 後期・月4

方針・テーマ:20世紀の詩人・批評家ポール・ヴァレリー(1871-1945)の評論「象徴主義の存在」(1938)をフランス語で読んでいきます。
目的・目標:19世紀後半の象徴主義がいかなる点で斬新であったかという点について知識を得る。ヴァレリーの独創的な観点と論述のテクニックについて理解する。論理的な文章の読解力を高める。

フランス語圏文学論 鈴木大悟 後期・火3

方針・テーマ:シュルレアリスム美術について考える。
目的・目標:20世紀フランス文学の見取り図を描き、シュルレアリスムの特異性を考える。さまざまな文学者による美術批評と、シュルレアリスムに内在する美術論との差異を検討する。シュルレアリスム美術をめぐる批評的言説を整理する。

フランス語圏文化史A・B 山口俊洋 前期・後期・水2

方針・テーマ:フランス映画の歩みを、その誕生(19世紀末)から現在にいたるまで、通史的に解説していきます。作品、監督、俳優、スタッフ、ジャンル、そして時代背景など、さまざまな角度からアプローチします。
目的・目標:フランス映画について、少しでも多くの知識を得てもらうことが目的です。
参考文献:中条省平『フランス映画史の誘惑』(集英社新書、2003)。

フランス語圏文化史A 石川知広 前期・水4

方針・テーマ:フランス社会の際立った特徴のひとつであるガストロノミー(食文化)について、文献(ネット記事含む)や映像メディアなどを手掛かりに文化論的に考察する。受講者数や顔触れにもよるが、少なくとも2回程度(中間と最後)は実習の機会を設け、食の身体文化的次元に配慮したい。
目的・目標:フランス食文化全般に関する基礎知識。味覚という深く豊かな身体文化の覚醒を通じて、身体性に伴う独自の精神的価値を見出し、ひいては世界(と自己)の根源的豊饒が多少なりとも覚知できれば言うことはない。

フランス語圏文学論 石川知広 後期・水4

方針・テーマ:19世紀以降の近代小説に比べ、17~18世紀の小説は一般に敬遠されがちのように見える。たしかに、時代の隔たりに由来する感性の食い違いや言葉の古さが敷居の高さを生むことは否めない。しかし、現代小説が近代小説の上にあるのと同様に、近代小説もまた近世小説の上にあることは改めて指摘するまでもない事実であろう。読まず嫌いはあまりにもったいないというべきである。本授業の主眼は、近世フランス小説のいくつかを実際に踏破することにある。具体的な進め方としては、翻訳と原文テクストを併用しつつ、まず邦訳で全巻(可能な限り)を読む一方、重要部分の抜粋を仏語原文で読むという形を取りたい。
目的・目標:短期間に集中して読み進めることにより、近世フランス小説全体の流れを押さえることができる。また、それにより、それ以降の仏小説の姿を、時間軸の中で動的に把握するための視座が獲得できるであろう。近代および現代仏小説の特徴と存在意義の一端の理解に大いに資するものと期待される。加えて、比較的古いフランス語テクストの読解に慣れる機会が与えられる。

フランス語圏文化論A・B 西山雄二 前期・後期・水5

方針・テーマ:2011年、日本社会は震災・津波・原発という、人類史上初の三重のカタストロフィ(破局)を経験しました。甚大な数の行方不明者、被災者の困難な生活再建、無情にも故郷を追われた原発避難民、目に見えない放射能の不安……この自然災害かつ人為的災厄は、現在もなお進行中と言えるでしょう。カタストロフィ(catastrophe)はギリシア語源では「転覆」を含意しますが、日本社会は「3・11」によってまさに転覆し、大きな転換期を迎えています。本演習では、日本が直面しているカタストロフィを直接扱った文献ではなく、過去の人文・社会科学の文献や作品を敢えて参照します。これまで人間はいかにカタストロフィを表象し、解釈してきたのでしょうか。科学技術はカタストロフィにいかに対抗しうるのでしょうか。カタストロフィに見舞われた無垢な被災者たちの苦痛をどう受けとめればいいのでしょうか。人文・社会科学の文献を網羅してカタストロフィと人間の関係を根本的に問うことで、私たち自身の救済や希望の方途を探ります。
テキスト・参考書等:『現代思想 2011年7月臨時増刊号 総特集=震災以後を生きるための50冊』『現代思想 2011年9月臨時増刊号 総特集=imago 東日本大震災と〈こころ〉のゆくえ』 使用する文献(抜粋)は基本的に複写物を配布する予定。

フランス語圏文学論 大久保康明 前期・木2

方針・テーマ:フランス19世紀のレアリスム小説を読む。
目的・目標:フランス文学史の中で大きく扱われることはないが、パリの風俗描写やさまざまな戯画的要素を含んだ文学(小説)の系譜がある。その中で、昨年度に続きアンリ・ミュルジェールの作品の一部を読解し、19世紀の大都会パリの雰囲気を味わってみたい。具体的には読解力の向上が大きな目標となる。コンテクストとの参照を通してフランス語の文章を過不足なく理解する訓練である。
授業計画・内容: 第1回 シラバス確認、導入  第2~3回 アンリ・モニエ、アンリ・ミュルジェール、ゴンクール兄弟らの紹介  第4~12回 『ボヘミアン生活の情景』 読解・研究  第13~14回 理論的側面の検討 第15回 まとめと試験および解説

フランス語圏文化史B 大久保康明 後期・木2 

方針・テーマ:この授業では、フランス文学と芸術との関連をやや遊戯的に扱ってみたい。具体的には、フランス文学とかかわりのあるイタリア、フランスのオペラ作品の鑑賞を中心としながら、ヨーロッパにおけるフランス文学の受容について考えてみたい。
目的・目標:オペラ作品に関する一般的な理解、個々のオペラの意義・評価に関する知見が得られる。原作にさかのぼって、文学作品と他の芸術との相互関連について着眼点が得られる。

フランス語学研究 小川定義 前期・後期・木3

方針・テーマ:現在の生成統語論、ミニマリスト・プログラムの展開を概観し、基本概念、思考法を学んで、多様な言語を言語学的に見る力を養成する。また、同時に、生物言語学的な知見にもアクセスできるようにする。
目的・目標:ミニマリスト・プログラムの基本概念、考え方、比較統語論の基礎を学び、個別的な問題について専門ジャーナル掲載論文にアクセスできる基礎力を習得する。
テキスト・参考書等:David Adger, Core Syntax: A Minimaliste Approach, Oxford University Press 2003, ISBN 0-19-9243700.

フランス語学研究 岡田真知夫 前期・後期・木4

方針・テーマ:中世フランス語(古仏語)と中世フランス文学の入門者向け授業.本年度も,ベルールの『トリスタン物語』(12世紀)を対訳(古仏語原文/現代フランス語訳)で読む(昨年度よ見終えたところから).
目的・目標:中世前期(12-13世紀頃)のフランス語=古仏語について基本的な知識を得る.古仏語で書かれたテクスト=『トリスタン物語』を読みながら,その知識を確かなものにするとともに,近現代のフランス語の発音・語形・統辞法・語彙等の成り立ちを具体例に触れながら学ぶ.テクストの細部にもこだわりながら,トリスタンとイズーの愛について考える.
テキスト・参考書等:校訂テキスト、語彙集、現代フランス語訳,古仏語の発音の手引き、語形変化表などすべてプリントで配布する。参考書・辞書類は教室で紹介。

フランス語圏文学演習 古永真一 前期・木4

方針・テーマ:バンドデシネ〔フランス語圏のマンガ〕をめぐる日仏の比較文化論的考察
目的・目標:フランスのバンドデシネと日本のマンガの違いや共通点を探りながら、マンガという表現の特異性について考え、作品の解釈や背景を比較文化論的に考察する。
テキスト・参考書等:テキスト: プリントを教室で配布する。参考書: 古永真一、『BD――第九の芸術』、未知谷、2010年。

フランス語圏文学演習 藤原真実 前期・金4

方針・テーマ:近代的な小説ジャンルが黎明期にあった18世紀のフランスでは、それ以前の « roman »から脱却するべくそれぞれの作家が自由な試行を繰り返していた。なかでもディドロの行った実験は、今日の読者から見ると斬新であるため、しばしば « nouveau roman »に関連づけられてきた。授業では、ディドロの作品の中でも特にLa ReligieuseとJacques le fataliste et son maîtreを取り上げ、自己言及のテーマを軸にその新しさと古さを考察する。その過程で、18世紀フランス小説に大きな影響を与えた代表的な作品——アリオスト『狂えるオルランド』(1516)、セルバンテス『ドン・キホーテ』(1605,1615)、ガラン訳『千夜一夜物語』(1704-17)など——を比較の材料として取り上げたい。
目的・目標:18世紀のフランス文学とフランス語についての知識を習得し、フランス語を正確に読む能力を養う。近代的な小説の形成期における小説のありようを考察する。
テキスト・参考書等:授業ではエルマン版ディドロ全集(Œuvres complètes, éd. Dieckmann, Proust, Varloot, Hermann, 1975-)を用いる。フランス語初心者は 『修道女』(佐藤文樹訳、1957;秋田谷覚訳、1992など)、『運命論者ジャック』(小場瀬卓三訳、1960;王寺・田口訳、2006)などの邦訳を参考にしてもよい。

フランス語圏文学演習 藤原真実 後期・金4

方針・テーマ:文学テクストの作者が作品に署名することが少なかった時代において、作者とは何であったのか。18世紀フランスの作家たちが実際にこの問題に言及しているテクストを読み、考察する。その過程で、作者の一人称の問題、著作権誕生以前のコピーライトあるいは人格権の概念も問題になるだろう。
目的・目標:18世紀のフランス文学とフランス語についての知識を習得し、フランス語を正確に読む能力を養う。

仏語史 石野好一 夏期集中

方針・テーマ:フランス語の生い立ちから現代にいたる歴史を通じて、フランス語の音、語彙、文法などの特徴を概観し、そこに隠されたフランス語の発想・文化を考察する。
目的・目標:フランス語の成立とその発展の歴史の考察を通じて、フランス語の音韻、語彙、文法などの特徴を知る。それあによって、なぜ現代のフランス語がこのような形になっているのかを知る。またこれからフランス語がどういう方向を目指しているかを知る。さらにさまざまな表現の意味とニュアンスについて学び、それを使いこなす能力を身につける。
テキスト・参考書等:テキストは特になく、必要に応じてプリントを配布する。
参考書:『フランス語を知る、ことばを考える』石野好一著(朝日出版社) 『フランス語の意味とニュアンス』石野好一著(第三書房) 『フランスを知る─新〈フランス学〉入門』都立大仏文研編(法政大出版局)

専門演習(大学院)

専門演習では、フランスの文学、思想、表象文化、言語、社会、歴史などを少人数形式で学びます。演習のスタイルや進度、評価方法は、担当教師によって異なります。

フランス文学研究 大久保康明 前期・後期・月3

方針・テーマ:「Robert Garnier 研究」Bradamante (1582)を読む。 フランス文学史上最初の悲喜劇のジャンルを画する作品を読解し、当時の演劇状況をも考える。後期は前期の継続を予定する。あるいは同じGarnierの別の作品(例えばLes Juives)を扱う可能性もある。
目的・目標:16世紀フランス語に触れ、読解能力を養うことができる。また演劇作品における当時の韻文の様態を知ることができる。さらには次代の古典主義演劇との間の比較・参照が可能となる。

フランス語圏文化研究 カリオ・ヴァンサン 前期・月4

方針・テーマ:Ce cours est une introduction à la lecture freudienne du texte littéraire.
目的・目標:L'objectif de ce cours est de sensibiliser les étudiants au regard porté par les critiques freudiens sur le texte littéraire, de mettre à leur disposition cet outil d'analyse et leur proposer d'en faire usage dans un essai de lecture psychanalytique individuel.
テキスト・参考書等:Divers polycopies

フランス文学研究 木村正彦 後期・月4

方針・テーマ:20世紀の詩人・批評家ポール・ヴァレリー(1871-1945)の評論「象徴主義の存在」(1938)をフランス語で読んでいきます。
目的・目標:19世紀後半の象徴主義がいかなる点で斬新であったかという点について知識を得る。ヴァレリーの独創的な観点と論述のテクニックについて理解する。論理的な文章の読解力を高める。

フランス文学研究 石川知広 前期・水3

方針・テーマ:ニーチェやハイデッガーと並んで、第2次大戦前後から20世紀後半に至るフランス思想に大きなインパクトを与えたとされるA.コジェーヴのヘーゲル講義(1933-39 後にIntroduction à la lecture de Hegelとして刊行)を取り上げ、主要部分の読解を通じて、この講義がなぜ当時の若く尖鋭な知識人グループ(ブルトン、バタイユ、サルトル、ラカン、レリス、アルチュセール、カイヨワ、メルロ・ポンティ等)の心を強く捉え、新たな形而上学的問題関心を生み出すのに寄与したかを探る。その作業は同時に、次世代に属するフーコー、ドゥルーズ、デリダなどの新たな問題提起とパラダイム転換において極点に達したフランス現代思想の淵源(のひとつ)に光を当てる試みともなるであろう。

フランス文学研究 西山雄二 前期・水4

方針・テーマ:2008年11月に刊行が開始されたデリダのセミネール・シリーズ(約14000頁、全43巻)の第1巻目『獣と主権者』を精読する。本書では、主権の概念とその諸形象の政治的かつ存在-神学的な歴史が、人間の固有性に対する動物の規定性という概括的な問いと交差されつつ探究される。動物の問いは、まず、動物的な生はいかにしてさまざまな領域(狩猟、家畜化、飼育、動物園、動物実験など)で扱われるのか、という生き物に関する政治的思考、生物学的なものや動物学的なものをめぐる政治性の問いとして分析される。またさらに、「人間が政治的動物である」という伝統的な定式にしたがうならば、獣を政治的主権性へと従属させる政治的な過程はいかにして組織されるのだろうか。また、獣と主権者は法や権利の空間に対して外在的かつ例外的な場を占めるがゆえに、法の起源と根源となりえるのだが、だとすると、両者の類比関係はいかなる過剰さを指し示しているのだろうか。本演習では、獣と主権者の古典的な対立を脱構築的に読み替えることで、政治的な主権の伝統的な規定を問い直すデリダ晩年のセミネール(第三章)を読み進める。
テキスト・参考書等:Jacques Derrida, Séminaire La bête et le souverain Volume I (2001-2002), Galilée, 2008.

フランス文学研究 西山雄二 後期・水4

方針・テーマ:カトリーヌ・マラブーCatherine Malabouは、デリダの脱構築思想をもとにヘーゲルやハイデガー研究を展開しているフランスの哲学者である。マラブーは「形を贈与すること―形を受け取ること」という「可塑性」概念に着目し、哲学のみならず、脳科学の分野でも考察を進めている。今回は論集『真ん中の部屋――ヘーゲルから脳科学へ』(La chambre du milieu: De Hegel aux neurosciences, Hermann, 2009)に収録されたデリダ論やヘーゲル論を読む。
テキスト・参考書等:Catherine Malabou, La chambre du milieu: De Hegel aux neurosciences, Hermann, 2009

フランス語学研究 小川定義 前期・後期・木3

方針・テーマ:現在の生成統語論、ミニマリスト・プログラムの展開を概観し、基本概念、思考法を学んで、多様な言語を言語学的に見る力を養成する。また、同時に、生物言語学的な知見にもアクセスできるようにする。
目的・目標:ミニマリスト・プログラムの基本概念、考え方、比較統語論の基礎を学び、個別的な問題について専門ジャーナル掲載論文にアクセスできる基礎力を習得する。
テキスト・参考書等:David Adger, Core Syntax: A Minimaliste Approach, Oxford University Press 2003, ISBN 0-19-9243700.

フランス語学研究 内藤ソランジュ 前期・後期・木3

方針・テーマ:Atelier d'écriture
L'objectif de ce cours est d'entraîner les étudiants à écrire, lire et parler par la dictée, l'écriture et la lecture de textes et de leurs écrits.
目的・目標:Production d'écrits, soit à partir de textes, soit à partir de jeux écrits, soit écriture libre.
テキスト・参考書等:Des polycopiés seront distribués chaque semaine.

フランス語圏文学演習 藤原真実 前期・金4

方針・テーマ:近代的な小説ジャンルが黎明期にあった18世紀のフランスでは、それ以前の « roman »から脱却するべくそれぞれの作家が自由な試行を繰り返していた。なかでもディドロの行った実験は、今日の読者から見ると斬新であるため、しばしば « nouveau roman »に関連づけられてきた。授業では、ディドロの作品の中でも特にLa ReligieuseとJacques le fataliste et son maîtreを取り上げ、自己言及のテーマを軸にその新しさと古さを考察する。その過程で、18世紀フランス小説に大きな影響を与えた代表的な作品——アリオスト『狂えるオルランド』(1516)、セルバンテス『ドン・キホーテ』(1605,1615)、ガラン訳『千夜一夜物語』(1704-17)など——を比較の材料として取り上げたい。
テキスト・参考書等:授業ではエルマン版ディドロ全集(Œuvres complètes, éd. Dieckmann, Proust, Varloot, Hermann, 1975-)を用いる。フランス語初心者は 『修道女』(佐藤文樹訳、1957;秋田谷覚訳、1992など)、『運命論者ジャック』(小場瀬卓三訳、1960;王寺・田口訳、2006)などの邦訳を参考にしてもよい。

フランス語圏文学演習 藤原真実 後期・金4

方針・テーマ:文学テクストの作者が作品に署名することが少なかった時代において、作者とは何であったのか。18世紀フランスの作家たちが実際にこの問題に言及しているテクストを読み、考察する。その過程で、作者の一人称の問題、著作権誕生以前のコピーライトあるいは人格権の概念も問題になるだろう。
目的・目標:18世紀のフランス文学とフランス語についての知識を習得し、フランス語を正確に読む能力を養う。

フランス語学研究 石野 好一 夏季集中

方針・テーマ:フランス語の生い立ちから現代にいたる歴史を通じて、フランス語の音、語彙、文法などの特徴を概観し、そこに隠されたフランス語の発想・文化を考察する。
目的・目標:フランス語の成立とその発展の歴史の考察を通じて、フランス語の音韻、語彙、文法などの特徴を知る。それあによって、なぜ現代のフランス語がこのような形になっているのかを知る。またこれからフランス語がどういう方向を目指しているかを知る。さらにさまざまな表現の意味とニュアンスについて学び、それを使いこなす能力を身につける。
参考書:『フランス語を知る、ことばを考える』石野好一著(朝日出版社) 『フランス語の意味とニュアンス』石野好一著(第三書房) 『フランスを知る─新〈フランス学〉入門』都立大仏文研編(法政大出版局)