研究紹介

大気化学(竹川グループ)

 大気中に浮遊する微粒子 (エアロゾル) に着目して研究を行っています。エアロゾルの粒径は数nmから100 μm程度まで広範囲に及び、その化学組成は多種多様です (図1)。近年社会的な関心を集めているPM2.5もその一部です。エアロゾルは大気汚染物質であると同時に、太陽光を遮ることで大気の放射収支すなわち気候変動にも大きな影響を及ぼします。しかしながら、その効果は複雑であり不確実性が非常に大きいことが課題となっています。
 エアロゾルの粒径や組成は、新粒子生成、凝集、凝縮などのプロセスによって時々刻々ダイナミックに変化しています。その動態解明のためには、エアロゾルをリアルタイムで計測することが必要となります。本グループでは、レーザーや質量分析技術を用いた実時間エアロゾル計測装置の開発、およびフィールド観測に基づくエアロゾル生成過程の解明を主な研究目的としています。現在は、以下の二つの課題に重点的に取り組んでいます。
▼(1) 二次エアロゾル生成過程に関する研究
 大気中に粒子として直接排出される一次エアロゾルだけでなく、気体成分の化学反応によって生成される二次エアロゾルが重要です。東京などの大都市であっても、アジア広域の二次生成の影響を強く受けることがあります。独自に開発してきたエアロゾル計測装置を用いて大気観測を実施し、広域二次生成の寄与率や反応プロセスを明らかにすることを目指します。

▼(2) ナノ粒子組成分析計の新規開発
 エアロゾル数濃度を決める要因として、硫酸クラスターを核としたナノ粒子生成 (新粒子生成) とその凝縮成長が重要と考えられていますが、未解明の点が多く残されています。このため、ナノ粒子の組成を実時間計測するための新しい技術の開発を行っています。