同位体化学研究室

Isotope Chemistry Lab.

Research

研究紹介

メスバウアー分光法について

フラーレンについて

メスバウアーグループ

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メスバウアーグループでは、光触媒効果を有するケイ酸鉄ガラスや酸化鉄のナノ粒子、二次電池の電極として応用が期待されるバナジン酸塩ガラスなどの無機機能性材料の開発を行っております。ガラスのような無定形個体は原子間の規則配列を持たず、その構造決定は困難ですが、57Feメスバウアー分光法という弱いγ線の共鳴吸収を利用する放射化学的な手法を用いることによって鉄原子の価数や化学結合の強さ、鉄原子の周りの構造に関する微細な情報を得ることができます。メスバウアーグループは、このメスバウアー分光法など種々の分析法を用い、作成した無機材料の構造と物性の相関を解明することにより、環境汚染問題やエネルギー問題の解決の可能性を探究しております。

フラーレングループ

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フラーレングループではサッカーボール型分子C60などに代表されるフラーレンやフラーレン分子内に金属原子を取り込んだ金属内包フラーレンを放射性同位元素で標識化することにより、これらの分子の性質を研究しております。分子内において標識化された放射性同位元素から放出されるβ線やγ線など各種放射線を測定することによって、通常用いられる測定法よりも少ない量で検出を行なうことが可能であり、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などと合わせて測定を行なうことによってこれら分子の性質を他とは異なる視点から研究しています。 特に、金属内包フラーレンは電子デバイスや医薬品としての応用が期待されていながら生成量が非常に少ないために、応用研究はほとんど進んでいないのが現状です。我々は放射線を検出手段として用いることによって金属内包フラーレンの性質を調べ、また、医学的に有用な放射性同位元素を罹患部位まで運搬するドラッグデリバーとして水溶性金属内包フラーレンの合成を行い核医学的な応用を目指しております。