---P4  以前より学際的な学びとして、様々な領域においてダイバーシティ推進について学ぶことの必要が指摘されていました。それは医療や社会科学などの人に関する学問領域のみならず、今まさに社会において求められる領域の一つです。  そうした状況を踏まえ、ダイバーシティ推進室ではこの度、既に本学の全学共通科目の中で行われている講義の中から、新たにダイバーシティ推進に関連する科目を取りまとめた『ダイバーシティ&インクルージョン関連科目』を選出しました。  こうした取組は全国的にもいくつかの大学において既に行われつつあるものですが、専門科目に加えてこうしたダイバーシティに関する学びを深めることは、『それぞれの領域× ダイバーシティ』を考えるうえでも非常に重要な学びとなります。関心のあるかたは、ぜひ当室H P(https://diversity.fpark.tmu.ac.jp/topix/topix_94.html)より内容をご確認ください。( 益子) ☆画像=広報ポスター☆ ------- <セクシュアル・マイノリティ教職員研修>  教職員を対象として、セクシュアル・マイノリティに関する研修を行いました。ダイバーシティ推進室の藤山が講師となり、基礎的な知識や、教育の現場で当事者が体験しがちな困難、大学における対応の原則と留意したい点などを解説しました。参加者からは、『自身の担う業務に活かせる情報を知ることができ、大変勉強になりました』『普段の行動に良い影響を与える内容だと思います』などの感想が寄せられた一方、『導入から最終フォローまでの事例紹介のようなご紹介をいただける機会があるとさらにイメージしやすく、実務にもつなげやすいと感じた』など、より具体的な対応事例を求める意見も寄せられました。  頂いたご意見を参考に、今後も引き続き、研修等の活動を行っていきたいと思います。( 藤山) ------- <東京都立大学一時保育施設『都立大KIDS』>  今は使う予定がなくても、勤務の都合や保育園の都合などで急遽1日だけ利用したいというケースにも対応できるのが、一時保育施設『都立大KIDS 』。実際の保育のようすや疑問などを直接施設の先生方に聞くことができる、施設見学会やお試し保育は、随時行っています。  また、2023年4月より、南大沢キャンパスで開催される学会などに参加する学外の方にもご利用いただけるようになりました。これまで、複数の学会の参加者にご利用いただいています。  施設見学会やお試し保育、学会での利用など、詳細は学長室またはダイバーシティ推進室までお問い合わせください。(https://diversity.fpark.tmu.ac.jp/day_nursery/day_nursery.html) ( 藤山) ------- コラム <ダイバーシティ・ブックレビュー(東京都立大学管理部長:井上 卓)> 帚木蓬生 著 『水神』上・下 新潮社  ダイバーシティの概念は、時代と共に変わってきているのでは、と思いつつ、一方で、人々の内心には、太古の昔からダイバーシティの思いが埋め込まれているのでは、とこの小説を読み終えたときに感じました。  小説の舞台は、江戸時代の久留米藩( 福岡県)。筑後川という大河の側にありながらも、水利が悪い地にある農民達は、一日に数えきれないほど、川から水をくみ上げる重労働を強いられていました。当時は、『士農工商』といった身分制度のもと、農民は、武士と対等の関係性になく、窮状を受け止めてもらえず、生きづらさを感じていたのではないでしょうか。農民達は自らの意思で、堰を作り、水を引こうと奮闘した姿が、史実をもとに描かれています。艱難辛苦を伴う作業であったばかりか、万が一事故が起きた時には、農民達を率いる五人の庄屋が死をもって償うことまで、武士に約束させられます。一方で、農民達の苦労しながらも将来のために懸命に生き抜こうとする姿を、敬意の念を持って見守っていた一人の老武士がいました。堰作りは順調に進むも、大きな事故が起きてしまい、五人の庄屋が責任を取らざるを得ない事態に至ります。そのときに、老武士は、藩主に対し、自らの自死をもって五人の庄屋の助命を嘆願し、切腹を果たします。庄屋、農民達はそのことを知るに至り、末代までその老武士を称えることとし、今も現地には碑が残っています。  ややもすると、人は、自らと他者とを区別、差別するという行動を無意識に取ってしまう反面、人のDNAには、人をリスペクトするという思いも内包されているのではないでしょうか。だからこそ、リスペクトする思いを日々顕在化することが大切なのだと思います。 ☆写真=単行本上下巻☆   ------- <編集後記> 推進室で広報デザインの仕事をするようになって、自分の中にあった小さな炎がくっきりと形になって見えてきたように感じます。支援にたずさわってくれている学生たちも、自分の中にある炎を大きく育てて、社会へ羽ばたいて行くのでしょうか。( 兼子)   <編集・発行> 東京都立大学 ダイバーシティ推進室 〒192-0397東京都八王子市南大沢1-1 図書館本館1階 電話:042-677-1337(直通)/内線2571 E-Mail:diverwww@tmu.ac.jp URL:https://diversity.fpark.tmu.ac.jp/ 発行日:2024年3月22日 ☆二次元コード=ダイバーシティ推進室HP☆